MCIスクリーニング検査
APOE遺伝子検査
MCIスクリーニング検査・APOE遺伝子検査について
2025年、65歳以上の高齢者のうち認知症の人は約700万人(5人に1人)に増加すると予測されています。さらに認知症予備軍といわれる軽度認知障害(MCI)の人は認知症と同数程度いるともいわれており、認知症対策は社会的に緊急の課題となっています。
現在、認知症は症状の進行を一定期間防ぐ薬はあるものの、根本的な治療薬は未だ開発中です。
発症後の治療だけではなく、発症前の予防も非常に重要です。
当院では認知症リスクを判定するためにMCIスクリーニング検査とAPOE遺伝子検査(自費、外注)を導入しました。
健康診断と同じように、定期的に検査を受けることでご自身の変化を早い段階で気づくことができます。
健康な方でも高齢になるにつれて、認知症やMCIのリスクは自然と高くなります。検査の結果にかかわらず、生活習慣を改善し予防に取り組みましょう。
検査ご希望の方はお申し付けください。
MCIスクリーニング検査
認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、発症する約20年前から主な原因物質であるアミロイドベータペプチドが脳内に溜まり始め、認知機能が少しずつ低下していきます。
アルツハイマー病発症までの経緯
「MCIスクリーニング検査」は、アルツハイマー病の前段階であるMCIのリスクをはかる血液検査です。 この検査では、アミロイドベータペプチドを排除する機能をもつ血液中の3つのタンパク質を調べることで、軽度認知障害(MCI)のリスクを判定します。
APOE遺伝子検査
アミロイドベータペプチドの蓄積や凝集に関わる物質のひとつが、アポリポタンパク物質Eです。
それを司るAPOE遺伝子には、主にε2、ε3、ε4の3種類あり、2つ1組で遺伝子型を構成しています。
ε4の有無とアルツハイマー病発症との関係を調べると、ε4を全く持っていない遺伝子に対して、ε4を1つないし2つもっている遺伝子型のアルツハイマー病リスクは3倍から12倍高くなるといわれています。
APOE遺伝子検査は、あなたの持っているAPOE遺伝子型を血液検査で調べ、アルツハイマー病発症リスクを知り予防に繋げます。
APOEε4によるアルツハイマー病発症への影響※
遺伝子型 | リスク(倍) |
---|---|
ε2 / ε3 | 0.6 |
ε3 / ε3 | 1.6 |
ε2 / ε4 , ε3 / ε4 | 3.2 |
ε4 / ε4 | 11.6 |
*出典:Hsiung,G.Y.,Sadovnick,A.D.,Alzheimers Dement.2007より改変
アルツハイマー病の発症は遺伝的要因以外に加齢や生活習慣なども関係しています。
また、糖尿病や高血圧がアルツハイマー病のリスク因子と言われています。
生活習慣の改善など適切な予防を行えば、アルツハイマー病の発症を防ぐことや遅らせることができると最近の研究でわかっています。
もしご不安やご相談がございましたら、当クリニックの認知症予防外来を受診ください。
料金について
MCIスクリーニング検査 | 25,000円(税込) |
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APOE遺伝子検査 | 20,000円(税込) |
MCIスクリーニング検査+APOE遺伝子検査 | 40,000円(税込) |
検査の流れ
2 検査当日
自費診療となりますが、生年月日確認のため保険証をお持ちください。
- 10ccの採血
- 記憶検査
3 2~3週後
医師から直接検査結果の報告をいたします。認知症やMCIの可能性が高い場合は、認知症予防外来にて精密検査や治療を行うことも可能です。