Phone 083-920-1001

 診療時間 

午前 9:00~12:30
午後 2:30~6:00

 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

午前 9:00~12:30
午後 2:30~6:00

 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

メディア情報

Media information

【Vol.1】慢性頭痛は「病気」ですか?

Q)慢性的な頭痛のせいで、旅行やレジャーなど楽しみにしていたことを中止したり、あきらめたりすることがたびたびです。頭痛くらいで病院へ受診するのは気が引けて、結局いつも市販の頭痛薬で我慢しています。

A)片頭痛などの慢性頭痛は「病気」です。日本人の4人に1人、3,000万人は慢性的な頭痛持ちだといわれています。頭痛のせいでレジャーだけでなく家事や育児、仕事などの日常生活が損なわれます。片頭痛持ちの人は、頭痛を我慢することにより生涯で健康な時間(健康寿命)が2年失われるともいわれています。このように日常生活に支障をきたしているにもかかわらず、片頭痛患者の約3割しか医療機関への受診経験がありません。
この一番の要因は患者さんが片頭痛を「病気」と認識していない点にあります。実は頭痛治療はこの数年で非常に変化し、医師の側も片頭痛をクオリティ オブ ライフ(QOL)に影響する疾患であるという認識を強めています。
片頭痛の特効薬であるトリプタンが発売されたことで、QOLは格段に向上しました。また鎮痛薬をたくさんのむ人には、痛くなる前に痛みをおさえる予防薬もあります。上手に組み合わせて使うことで、痛みをかなり軽減できます。同じ慢性頭痛であってもひとりひとり違うもので、それぞれに合った治療が必要です。
慢性頭痛は病院で治療を受けることができる「病気」であるという認識が重要。慢性頭痛に悩んでいる人は、一度専門の医療機関を受診してみてください。


【Vol.2】慢性頭痛に違いがあるの?

Q)慢性頭痛には「片頭痛のタイプ」と「肩こりからくるタイプ」があると聞きました。そんな違いがあるのでしょうか?

A)慢性頭痛は、頭痛のおこるメカニズムにより「片頭痛」と「緊張型頭痛」の大きく2タイプに分かれます。
「片頭痛」は頭にある血管が炎症を起こし、はれて拡張するために、血管壁の神経が刺激されるのが原因です。「緊張型頭痛」は頭から首、肩にかけての筋肉が緊張して血流が悪くなり、疲労物質がたまり、神経を刺激することで痛みがおこります。
たしかに以前は、どちらの頭痛と診断されても鎮痛薬を処方する程度しか有効な治療法がなく、診察する側も両者の鑑別は曖昧なままでした。ところが、片頭痛の特効薬であるトリプタンが発売されたことで状況は一変しました。「片頭痛」と「緊張型頭痛」の正確な鑑別診断が必要とされるようになったのです。ちなみに“肩こり”があれば緊張型頭痛と考えられがちですが、実際には片頭痛の方でも75%が肩や首のこりを感じています。
「片頭痛」と「緊張型頭痛」、両者を見分けるのは簡単ではありませんが、“日常生活に支障がある”“動くとガンガン響く”“吐き気がする、吐いてしまう”“光や音に過敏になる”などの症状は片頭痛の特徴です。自分自身の頭痛のタイプを知り、自分に合った治療法を見つけましょう。


【Vol.3】ハーブティーを注いで

Q)頭痛にカフェインが効くと聞いたのですが、ほんとですか?

A)軽い片頭痛なら、コーヒーや紅茶などのカフェインを含んだものを飲むと症状が軽くなることがあります。これはカフェインの血管収縮効果によるもの。市販の頭痛薬の多くにも、カフェインは含まれています。一方、週末になると仕事のストレスから解放されているはずなのに、なぜか頭痛…。「どうして?」と思われる方、平日オフィスで何杯もコーヒーを飲んでいませんか?週末にコーヒーを飲まないことで、逆にカフェインの禁断症状として、頭痛をひきおこしてしまうことがあります。平日のコーヒーやドリンク剤の飲み過ぎには注意しましょう。
ところで、フィーバーフューというハーブを知っていますか?キク科の植物で日本名は夏白菊、その名のとおり、夏に白い可憐な花を咲かせます。フィーバーフューの片頭痛に対する予防効果はよく知られています。有効成分のパレテノライドが、片頭痛の引き金となるセロトニンの放出を抑えると言われています。1600年代のイギリスでも治療に使われており、最近は学会の治療ガイドラインでも推奨されています。でも…苦い!! ハチミツやペパーミントなどで飲みやすくする工夫が必要かも。(注:妊娠中、授乳中の方は飲用しないでください)
さて、今夜も“いつもの頭痛がきたな”と思ったら、部屋を暗く静かにして、紅茶を一口すすりながら英国貴族を懐古してみては?


【Vol.4】子供なのに片頭痛

Q)小学生の子どもですが、時々頭を痛がり、吐くこともあります。薬は飲ませず我慢させているのですが…。

A)それは、片頭痛の症状です。子どもにも片頭痛はみられます。なかには4~5歳くらいの子どもの片頭痛も見受けられます。幼少時の場合は表現力に乏しく、親にも片頭痛という意識がないため、他の病気が隠されていないか心配してしまいますね。
子どもの片頭痛は、大人の片頭痛と比べて発作が始まるのが非常に急で、持続時間も過半数が3時間以内と短いのが特徴です。また、大人と比べてズキンズキンといった拍動性がはっきりしない、痛む場所の左右差がはっきりしない場合が多いようです。
子どもの頭痛に対しては、安全性を考慮して鎮痛薬を使用します。また吐き気が強い場合は制吐薬のみの投与も考えられます。頭痛の発作時間が短い場合はあえてお薬を飲ます必要はありませんが、頭痛を必要以上に我慢させるのはよくありません。学校などにも薬を持参させ、頭痛あるいは前兆が始まったらできるだけ早く服用させるのもコツです。頭痛時に休息や睡眠ととらせるのも効果的なので、担任の先生に理解しておいてもらうことも大切です。
子どもの片頭痛を診断するうえで、てんかん、髄膜炎、脳腫瘍などを正確に鑑別することは成人以上に重要なことです。ご心配な場合は、一度専門の医療機関で検査を受けてみるとよいでしょう。


【Vol.5】女性と頭痛

Q)生理の前になると、きまって頭痛がおこります。これって片頭痛?

A)片頭痛は、男性と比べると女性の方が約4倍多いと言われています。これは、片頭痛と女性ホルモンの関係が深く、思春期以降の女性に圧倒的に多くなるためです。生理は片頭痛の誘因としてあげられます。片頭痛持ちの女性の約半数は、生理に関連して片頭痛が起こることを自覚しています。生理開始2日前から生理3日目までに多く、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが急激に下がることが誘因だと言われています。生理時の頭痛はいつもの頭痛よりひどく、市販薬が効きにくいこともあります。その時期に合わせて、トリプタン系の薬や予防薬を飲むのも対処法のひとつです。
妊娠中は片頭痛の発作が出なくなったり、減少したりすることがわかっています。妊娠時はエストロゲンが高いまま経過していくからです。それでも起こる妊娠時の頭痛に対しては、薬ではなく、部屋を暗くして熱冷ましシートなどを利用して頭を冷やすなどの対処療法がおすすめです。授乳中も、基本的には薬は避けるべきです。どうしても服用する場合は、安全性の高い薬を服用して次の授乳までの時間をあけるなどの配慮が必要です。
女性ホルモンの関係から閉経以降は片頭痛が減ってくるようです。高齢期の頭痛は他の病気の可能性も考えられるため、注意が必要でしょう。


【Vol.6】頭痛によい食材のお話(前編)

頭痛にはマグネシウム 成人の場合、マグネシウムは1日300mgの摂取が必要とされていますが、片頭痛持ちの人の約30%はマグネシウム不足。マグネシウムの低下は血管攣縮をもたらし、片頭痛を発生させます。しっかりマグネシウムを摂取することは、片頭痛の予防につながるというわけ。では、マグネシウムが多く含まれている食材をご紹介しましょう。
大豆…女性ホルモン様の働きをするイソフラボンも含まれています。コレステロールを低下させ、骨粗鬆症や更年期障害を軽減させます。豆乳もおすすめ。
黒豆…実はココアにもマグネシウムが入っているので、「黒豆入りココア」は頭痛により飲み物なのです。
豆腐…マグネシウム、ビタミン、カルシウムが豊富に含まれます。いろいろな料理に利用してみては?
玄米…白米に比べて、マグネシウムやビタミンB1、食物繊維を豊富に含んでおり、ダイエット効果も。少し食べにくいので、玄米パンや玄米粉などをミルク・ヨーグルト・スープなどに混ぜて使うとよいでしょう。
アーモンド…ビタミンB2や老化防止作用のあるビタミンEもたっぷり含んでいます。お菓子作りに利用したり、アーモンドスライスをフライの衣にしてもいいかも。ところでアーモンドといえばアーモンドチョコですが、チョコは片頭痛の誘発因子とも言われていますので、控えたほうがいいでしょう。カシューナッツや落花生もマグネシウム豊富です。
毎日の食事で、上手に頭痛予防してくださいね。つづきは次回…。


【Vol.7】頭痛によい食材のお話(後編)

食事からとる栄養素
★前回に引き続き、片頭痛の予防が期待できるマグネシウムを多く含む食材のご紹介です。
ひじき…マグネシウムや食物繊維が含まれ、鉄も豊富。冷え症や首・肩のこりを和らげる効果も期待できます。サラダやかきあげなどにも利用してみてはどうでしょう。
のり…「海のミネラルの宝庫」と呼ばれ、マグネシウム、カルシウム、ビタミンB2などが豊富です。塩味のついた韓国のりもおいしいですね。
ほたて…魚貝類のなかでマグネシウム含有率No.1です。高タンパク低カロリーで、貝類のなかでもコレステロールが低くダイエットに最適です。生はもちろん、缶詰や干したものを利用すると保存もきいて便利かも。
カキ…マグネシウムが豊富なうえにタウリンを多く含み、コレステロールを下げる効果があります。
そのほか…ほうれん草、ごぼう、柿、ワカメなどにも豊富に含まれます。
★マグネシウムに加えて、ビタミンB2(リボフラビン)にも片頭痛の予防効果があります。しかし、1日200~400mgほど大量摂取しなければなりません。1日の食事での摂取は2~30mgなのでかなりの量です。サプリメントを利用するのもひとつの方法でしょう。
肉類…牛・豚・鶏のレバーのビタミンB2は頭痛だけでなく、お肌の健康にも効果があります。
魚類…うなぎはビタミンB2のほかに、A、Eも含んでいます。またサバもビタミンB2が豊富なうえに、DHA、EPAが含まれ脳にはとてもよい食材です。


【Vol.8】秘密の日記帳

Q)頭痛持ちの友人が「日記」をつけています。ふつうの日記とは違うみたいののですが…?

A)頭痛の性状は実に様々です。いつおこるのかわからない、原因もわからない頭痛…。痛みを上手にコントロールするためにはまず「自分の頭痛を知る」ことが大事なのです。そこでおすすめしたいのが、お友だちもつけている“頭痛ダイアリー”です。記録をつけることで、記憶だけではわからなかったことや、自分でも気づかなかったことなどがわかるようになるのです。
いつおこったのか、どんなふうに痛むのか、どんなきっかけでおこったのか、どの程度の痛みなのか、痛みはどのくらい続いたのか、などを記録して頭痛の傾向をつかみます。そうすることで、「頭痛が起こりそうなときは早めに休む」「人込みにでかけると頭痛がおこっていればそれを避ける」といった対処法がわかります。
また「気休めで鎮痛薬を服用していなかったか」「吐き気がするまで薬をのまずに我慢していなかったか」などもわかり、薬を飲むタイミングがわかってくるのです。
しかも頭痛ダイアリーは医療機関にかかるときにも役立ちます。症状を的確に伝えることで、正確に診断してもらえるのです。さらに、食事内容やイベントごと、睡眠時間や生理について簡単に記入してもいいでしょう。「こんな食材がきっかけで頭痛が起こるんだ」とか、「寝過ぎた日は頭痛がおきやすいんだ」など、意外な発見があるかもしれませんよ。


【Vol.9】謎の光の城塞は?

Q)頭痛の前に、目の前にキラキラとした形が見えることがあるのですが…?

A)片頭痛持ちの人の中には、頭痛が起こる前に前兆や予兆と呼ばれる「前ぶれ」がある人がいます。最も多い前兆は“閃輝暗点”と呼ばれる症状で、目の前で光がキラキラする、視野の中にギザギザした明るい模様が見られる、視野の一部がかけるなどがあげられます。これが5~60分程度続いた後に、激しい頭痛がおこるのです。頭痛だけでなく、体がしびれたり、しゃべりにくくなることもあります。
このような前兆は一部の人にしかみられませんが、「何となく頭痛がきそうだ」という予兆はたいていの人に現れます。例えば「肩がこる」「生あくびが出る」「眠気を感じる」「食欲が増す」「甘いものが食べたくなる」「イライラする」「気分がよくない」「体がむくむ」といった状態がそれで、その後に頭痛が起こるのです。特に、片頭痛が起こる前に肩こりがひどくなる人が多く「肩こりからくる頭痛」という表現をよく聞きます。前ぶれを的確に把握しておくことで、それをうまく利用して早めに薬を飲み、対処をすることが可能です。
ちなみに、このギザギザの模様は特徴的で、あたかも西洋の城壁あるいは城塞都市様の外観を呈します。そのせいか、中性からよく絵画のモチーフにもなっています。1973年に英国片頭痛協会が、Art Competition(芸術コンテスト)を開催したこともあるんですよ。
あなたの片頭痛にはどのような城塞が見えますか?


【Vol.10】「片」頭痛とは言うけれど・・・

Q)私の頭痛は頭の両側におこり、ズキンズキンと拍動しませんが、片頭痛ではないのでしょうか?

A)「片頭痛」とは、「脳の血管が拡張して発作性に激しい痛みが繰り返して起こる頭痛」のことを言います。月に数回から週に1~2回の頻度で、頭の片側が脈拍と一致してズキンズキンと痛むのです。しかし片側だけでなく頭全体が痛む場合も多く、また拍動感のない痛みの場合もあります。
自分の頭痛が片頭痛だと判断するのに一番重要なのは、いったん痛み出すと寝込んでしまう、仕事や家事が手につかない、など日常生活に支障をきたしてしまうかどうかです。片頭痛は吐き気や嘔吐を伴うことが多く、普段は何でもないような光や音に過敏になる、といった症状がみられることもよくあります。さらに臭いにも過敏になり、香水などの臭いを不快に感じることも。
また、歩行や階段の昇り降りなどの日常的な動作によって、頭痛は悪化してしまいます。頭を少し動かしただけで、痛みが激しくなる場合もあります。
時間としては、数時間程度のこともあれば、3日くらい続くこともあります。
このような特徴があれば、片頭痛が強く疑われます。ただし、頭の中に別の病気がないことを確認することが前提です。
ちなみに片頭痛の「片」は、昔は「偏」と表記されていました。発作が一定期間に「偏る」という意味で使われ、「片側」ということではないのでご注意を。