Phone 083-920-1001

 診療時間 

午前 9:00~12:30
午後 2:30~6:00

 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

午前 9:00~12:30
午後 2:30~6:00

 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

メディア情報

Media information

【Vol.11】頭痛注意報(前編)

Q)病院で片頭痛と診断されたのですが、日常生活の上で片頭痛を予防する方法はあるのでしょうか?

A)片頭痛を予防するためには、頭痛発作を起こすきっかけとなる因子を遠ざける必要があります。そのためにはまずは、片頭痛の特徴をよく知らなければなりません。
第一に、片頭痛は緊張しているときよりも、緊張から解放されてリラックスした時のほうがおきやすいという特徴があります。
そのため、仕事をしているときよりも、仕事が終わって家に帰ってほっと一息ついたときに頭痛がおこることのほうが多いのです。
また、平日よりも仕事の緊張から解放される土曜や日曜に頭痛発作がおこることが多いため、「週末頭痛」と呼ばれることもあります。つらい頭痛のために、せっかくの週末の予定を変更しなければならないこともたびたびです。
さらに休日の朝に昼過ぎまで寝ていると、頭痛発作を起こしやすくなります。寝不足だけでなく、寝過ぎも頭痛を誘発する要因となりますので、注意が必要なのです。その原因のひとつは、寝過ぎにより低血糖をおこすことにあります。
空腹は、片頭痛をまねく誘因となります。血糖値が低下すると、脳の血管が拡張して片頭痛を起こしやすくなるのです。ですから、朝食を抜いて学校や仕事に行くと、昼前頃に頭痛を起こしやすくなります。特に若い女性のダイエットのし過ぎは片頭痛をまねきやすいのでご用心を。


【Vol.12】頭痛注意報(後編)

Q)肩こりからくる頭痛だと思ってお風呂に入ったら、よけいに頭痛がひどくなってしまいました。どうしてでしょうか?

A)季節でいえば、夏は片頭痛を起こしやすい季節といえます。夏はクーラーのきいた室内から、急に日差しの強い外へ出たりすることがありますね。これにより、頭皮の温度が上がり血管が広がって、頭痛発作を起こしやすくなるのです。また、強い光もまた片頭痛を誘発する要因です。外出の際には、帽子や日傘、サングラスをするよう心掛けましょう。
お風呂も、お湯に長く浸かることで血管が拡張するので、頭痛を誘発させてしまいます。片頭痛の予兆として肩こりがある時にお風呂であたためてしまうと、頭痛が悪化してしまうのもこのためです。
片頭痛の患者さんは、温度差と同時に、気圧の変化に対しても敏感です。これは、低気圧が近づくと、身体といっしょに脳の血管が膨張しやすくなるためです。そのため、天気が悪くなる前は頭痛がおきやすくなるのです。気圧の変化といえば、飛行機に乗ると頭痛を起こしやすくなるのですが、これも飛行機の中の気圧が地上と比べて少し低いためです。
ところで、頭痛を誘発しやすい食べ物もあります。赤ワインやチョコレート、チーズが頭痛を起こしやすいと言われています。ハムやソーセージ、乳製品も同じ。思い当たるものがあれば、こうした誘因をさけることも一つの方法といえます。


【Vol.13】秘密の日記帳

Q)以前「秘密の日記帳」で頭痛ダイアリーのことが書いてありましたが、実際にどのようにつけたらよいかわかりません。

A)“自分の頭痛を知る”“自分の頭痛を伝える”のに、頭痛ダイアリーはおすすめです。ダイアリーといっても、なにも事細かに記載する必要はありません。時間がない場合は頭痛の程度と服薬の有無についてだけでもかまいません。今回は簡単に記載できる頭痛ダイアリーを紹介しますので、是非活用してください。


【Vol.14】「頭痛外来」へいこう

Q)最近頭痛の回数が増えてきて、いままで効いていた市販の頭痛薬が効かないときもあります。

A)頭痛には「クモ膜下出血」や「脳腫瘍」などの脳の病気が原因でおこる器質的頭痛と、これといった脳の病気があるわけでもないのにときどき頭痛を繰り返す、いわゆる“頭痛持ち”の機能的頭痛があります。以前は病院での頭痛の治療は主に器質的頭痛に対するものであり、機能的頭痛はあまり重要視されてはいませんでした。しかし最近では「頭痛外来」を開設して、機能的頭痛の治療にも力を入れる医療機関が増えてきました。頭痛持ちの人は、頭痛に関してなんでも相談できる「頭痛かかりつけ医」をみつけておくことが大切です。
頭痛外来においては、頭痛の正確な診断と適切な薬の処方の他、日常生活における頭痛の予防や対処法についての指導がなされます。さらに、片頭痛にまぎれてしまう可能性のある脳の病気の、早期発見にもつながるのです。
片頭痛は、薬の飲み方を誤ると慢性化や重症化する可能性があります。特に薬の過剰使用を続けると、薬剤乱用頭痛と呼ばれる慢性頭痛へ変貌してしまい、治療が難しい状態になる可能性があります。週1回以上頭痛発作がある、市販の消炎鎮痛薬が効きにくくなった、発作時に吐き気や嘔吐がある、生活に支障がある、以前に比べて頭痛が強くなった、などの症状がある場合は、頭痛外来を受診しましょう。


【Vol.15】孫悟空はつらいよ(前編)

Q)2,3年前より頭を締め付けられるような重苦しい頭痛があり、毎日だらだらと続いています。

A)頭や首の筋肉の収縮によっておこる「緊張型頭痛」は、慢性頭痛のなかでも最も多いタイプの頭痛です。片頭痛のように、日常生活に支障をきたすような激しい痛みではありませんが、毎日だらだらと続くため、“いつも頭がすっきりしない”とか“脳が悪い”などと訴えられます。吐き気や嘔吐、光や音、においに過敏になるといった症状はありませんが、フワフワとした感じの一瞬のめまいを伴うことがあります。
頭から首、肩にかけての筋肉が緊張すると、血流が悪くなり、筋肉の中に乳酸などの疲労物質がたまります。これが神経を刺激して、痛みがおこります。痛みによって筋肉の緊張が増幅され、痛みをさらに悪化させてしまう悪循環に陥ることもあります。よく孫悟空の金輪にたとえられ、“帽子をかぶっているような感じ”とか、“後頭部がしびれたような感じ”と表現されることも。
頚椎(首の骨)の変形や、正常な彎曲(前に向かって反る)の消失は筋肉に負担をかけて緊張型頭痛をおこしやすくなります。またコンピューター作業など長時間の同じ姿勢や、心配や不安などの精神的ストレスも誘因となるのです。まさに現代社会は三蔵法師の呪文でいっぱい?


【Vol.16】孫悟空はつらいよ(後編)

Q)社会人になってから、頭が重く首や肩のこりが続いています。よい対処法を教えてください。

A)「緊張型頭痛」は頭や首のこりが原因でおこる頭痛ですから、筋肉の血流を改善させ、筋肉内の疲労物質を洗い流すことで改善します。後頭部や首のこったところのマッサージをする、首・肩・腕などを回すストレッチをする、ゆっくりお風呂に入る、蒸しタオルなどで首筋をあたためるなどの対処が有効です。気分転換をかねて、ジャスミン茶やハーブティーなど好みのお茶で一服したり、適度なアルコールをたしなむのもよいでしょう。それでも改善しない場合は鎮痛薬や筋肉のこりをほぐす薬などを使って治療します。
頭痛の誘因となる、ストレスをためやすい生活習慣を見直すことも大切です。仕事で長時間同じ姿勢をとらなければならない場合は適度に休息を入れる、前かがみや肩を丸めていないかなど姿勢を頻繁にチェックする、散歩やジョギング、水泳などの適度な運動を毎日続けるなどの工夫をしましょう。
また、高すぎる枕、合わない眼鏡、眼鏡や帽子による締め付け、歯の噛み合わせの異常なども原因となりますので、思い当たることがあればチェックしてみてください。三蔵法師の呪文から解放されるのはいつの日か?


【Vol.17】くすりのおはなし(前編)

Q)頭痛のため毎日のように市販の鎮痛薬を飲んでいますが、最近あまり効きがよくありません。

A)頭痛の際に市販の鎮痛薬を服用する人は多いのですが、鎮痛薬の飲み過ぎで頭痛が悪化するということはあまり知られていません。これは「薬物乱用頭痛」といわれ、最近特に増えている慢性頭痛です。薬を頻繁に飲むことで、脳が痛みに対して敏感になってしまうのが原因。薬が効いている間は痛みがおさまるものの、切れてくると痛みだすのでまた服用してしまうのです。
最初は月に1~2回だった鎮痛薬の服用が少しずつ増えて、気がつけば毎日のように朝、昼、晩と飲まなければならない場合も珍しくありません。1ヶ月に10日以上服用している人は要注意です。特に“最初効いていた鎮痛薬が効かなくなった”、“毎日のように明け方や早朝より頭痛が始まるようになった”、などの場合には、薬物乱用頭痛の疑いがあります。
薬物乱用頭痛の治療は、原因になっている薬を止めなければ治りません。しかし、一度手にした薬を手放すことは簡単ではなく、一時的な痛みを我慢する強い意志をもつことも必要です。鎮痛薬は、月10日までであれば早め早めに服用することがコツですが、それ以上の場合には予防薬を服用して、頭痛の回数や頻度を減らすのも薬物乱用頭痛にならないためのひとつの方法です。あなたは月に何日鎮痛薬を飲んでいますか?


【Vol.18】くすりのおはなし(後編)

Q)強い頭痛の時に飲むようにと片頭痛の薬をもらっているのですが、鎮痛薬よりも強い薬なのでしょうか?

A)2000年に片頭痛の特効薬であるトリプタン系の薬剤が認可されて、片頭痛の治療は格段と進歩しました。トリプタンは鎮痛薬と比べて強い薬というよりは、片頭痛の本質に作用する薬と言えるでしょう。片頭痛は脳の血管が拡張して炎症をおこし、血管壁の神経が刺激されておこります。これまでの鎮痛薬は痛みのもとを治療せずに見かけの痛みを抑えるだけだったのですが、トリプタンは拡張した血管を収縮させるとともに炎症を抑え、頭痛の完全な消失を可能にするのです。その他、鎮痛薬に見られる胃腸障害も少ないのも利点の一つです。
トリプタンをいざというときのために大事にとっていて、どうしようもなく辛くなったときに使ったけどよく効かなかったという感想を聞くことがあります。トリプタンは頭痛発症後早期の服用が最も効果があるため、片頭痛の発作がおこったら早めに飲むことが大切なのです。また現在トリプタンは国内に4種類あり、患者1人1人でそれぞれの種類に対する効き目に違いがあります。つまり、一度トリプタンを使用して効果がなかったからといってあきらめることなく、別の種類を試してみるのもひとつの方法です。その中から、あなたを今までのつらい頭痛から解放してくれる救世主が見つかるかも。