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午後 2:30~6:00

 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.153】脳ドックと脳卒中・認知症予防

Q)脳ドックの役割はどのようなものですか?

A)日本脳ドック学会には、2019年より「脳卒中・認知症予防のための医学会」というサブタイトルがつけられました。超高齢化社会になった現在、脳ドックに対する社会的要望は脳卒中予防だけでなく、認知症予防の比率が高まっているためです。今後は、まだ健常な時期から認知機能状態を正確に把握し、生活習慣病等のリスク管理を積極的に行う仕組みが脳ドックに求められています。脳ドック学会においては、無症状の小さな病変まで検出する性能を持つMRI機器の使用、専門医による画像読影、紙面のみでない直接対面での受診結果の説明と指導に加えて、認知機能検査や、頸動脈超音波検査を行うコースも設定することが学会認定施設の基準となっています(県内4施設)。75歳未満の山口市国民健康保険の方は簡易脳ドックも利用出来ます(2022年度は12月20日まで)。

脳ドックの詳細については「脳ドックのご案内」ページをご覧ください。


【Vol.152】新しい片頭痛治療(7)

Q)気象関連片頭痛を持っていませんか?(5)

A)気圧の影響で頭痛が起こりやすい人は、耳の奥の内耳にある気圧を感じるセンサーが過敏になっています。片頭痛の予防のためには、気圧の変動や片頭痛の予感がするタイミングで内耳の血行をよくしてセンサーの感度を下げる必要があります。まずは耳のマッサージがおすすめ。両耳を手でつまんで5秒間上下や横に引っ張ったり、つまんだまま回したり、両耳を包み込むように曲げたりします。続けて、手のひらで耳全体を覆い、円を描くように前から後ろに5回ゆっくり回します。両耳全体をホットタオルで温める耳温熱や、ツボの刺激も内耳の血行を良くします。耳の後ろにある骨の指1本後ろの窪みにある「完骨」や、首の後ろ、髪の生え際の窪みにある「風池」を人差し指で軽く押します。両手の内側、手首の付け根から指3本下にある「内関」は自律神経に作用して内耳の働きを調節します。

天気痛・気象頭痛の詳細については「天気痛 気象頭痛」ページをご覧ください。


【Vol.151】新しい片頭痛治療(6)

Q)気象関連片頭痛を持っていませんか?(4)

A)前日比、日内変動、室内外などでの寒暖差は皮膚の温度センサーを介して自律神経が温度調節しますが、7℃以上の差では過剰なエネルギーの消費で寒暖差疲労を生じやすく、全身倦怠感、気分不良、肩こりだけではなく片頭痛の誘発因子にもなります。日常生活に適度な寒暖のリズムを作り、自力で体温調節ができる身体づくりを心がける必要があります。夏は冷房を効かせ過ぎないようにして、直接風を身体に当てず、扇風機、サーキュレーターなどを活用し、外気を取り入れます。入浴はぬるめの38〜40度の風呂に10〜15分浸かり、体を温めます。また内蔵を冷さないよう極端に冷たい飲み物ばかりを飲むのは避け、常温の食事を摂るようにします。唐辛子を多く含んだ料理は、辛味成分であるカプサイシンが脳に作用して発汗を促し、体温を低下させようとするため、真夏に特にお勧めです。

天気痛・気象頭痛の詳細については「天気痛 気象頭痛」ページをご覧ください。


【Vol.150】新しい片頭痛治療(5)

Q)気象関連片頭痛を持っていませんか?(3)

A)梅雨になると体の重だるさやむくみ、食欲不振、消化不良など体調が悪くなる人がいます。湿度が75%を超えると汗が蒸発しにくくなり、身体に熱がこもり熱中症のような状態になります。湿度上昇は片頭痛誘発の因子にもなります。東洋医学では体調不良を引き起こす湿気を「湿邪」、水の巡りが悪く、余分な水を溜め込みやすい体質を「水滞」と呼びます。日頃から基礎代謝を上げるトレーニングをして、汗をかきやすい体をつくることが大切です。1日15〜20分のジョギングがお勧めです。梅雨時期にお勧めの食材は利尿作用のあるキュウリやスイカ、ゴーヤなどの瓜類、黒豆や鳩麦などの豆類、発汗作用のあるセロリ、ネギ、生姜などの香味野菜、唐辛子などの香辛料です。トマト、ナス、トウモロコシなどの夏野菜は胃腸の機能を高めますが、生で食べると体を冷やすので、加熱調理をお勧めします。

天気痛・気象頭痛の詳細については「天気痛 気象頭痛」ページをご覧ください。


【Vol.149】新しい片頭痛治療(4)

Q)気象関連片頭痛を持っていませんか?(2)

A)当院の研究では、片頭痛発症の誘因として、ストレスや疲労の次に68%の患者が気象変化を挙げました。気象変化として風速、降水量、日照時間、雷などがありますが、片頭痛に特に影響を与える因子は、「気圧」「気温」「湿度」の三つです。片頭痛と気圧の関連については、気圧低下や上昇による悪化など報告は様々です。台風の接近から通過までの気圧変動と頭痛発生についての研究では、標準大気圧1013hPaから6〜10hPaの微小な気圧低下時に最も片頭痛が発症しやすいという結果でした。また北太平洋沖で台風が発生すると、50Paほどの微気圧変動が3000km離れた日本にも押し寄せて頭痛を引き起こす可能性があるのです。片頭痛と気温の関連についても、暑さ、寒さ両方による影響が報告されています。また梅雨時期の頭痛の増加は湿度が誘因かもしれません。

天気痛・気象頭痛の詳細については「天気痛 気象頭痛」ページをご覧ください。


【Vol.148】新しい片頭痛治療(3)

Q)気象関連片頭痛を持っていませんか?(1)

A)2021年のノーベル物理学賞を米プリンストン大学上席研究員である真鍋淑郎氏が受賞しました。真鍋氏は気象の予測モデルを作り、地球温暖化が人類の活動によって起きることを科学的に裏付けた功績が認められました。1967年の論文では、二酸化炭素の濃度が2倍になると、地球の平均気温がおよそ2.3度上がると予測されています。近年は世界的にも気象変動に関心が向けられています。「日本の気候変動2020」によると、日本国内の観測点においても二酸化炭素の大気中濃度は増加を続ける一方、平均気温も100年あたり1.15℃の割合で上昇しており、猛暑日の日数も増加しています。また、降水では時間降水量50ミリリットル以上の短時間豪雨の頻度は増加傾向にあります。気候変動による気温上昇や短時間豪雨、強大化する熱帯低気圧等により、片頭痛の症状の憎悪化、変容化、慢性化、遷延化が懸念されます。

天気痛・気象頭痛の詳細については「天気痛 気象頭痛」ページをご覧ください。


【Vol.147】新しい片頭痛治療(2)

Q)新しい片頭痛予防薬について教えて下さい(2)。

A)片頭痛の病態にはカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の関与が示されています。CGRPは脳の硬膜や三叉神経節にある神経ペプチドであり、過剰に放出されると血管を拡張させ、血管周囲の神経の炎症を介して、片頭痛発作を引き起こします。片頭痛の新しい予防薬はヒト抗CGRP(受容体)モノクローナル抗体で、CGRPの活性を選択的に阻害し、発作が起こるのをおさえます。使用可能な方は、投与開始前3ヶ月以上で月に4日以上の片頭痛発作があり、急性期治療薬や既存の予防薬で治療したにもかかわらずコントロールが不良な患者に限定されます。1ヶ月あるいは3ヶ月に1回皮下に注射するタイプの薬剤で、片頭痛日数が減るだけでなく、発作時の痛みも軽減して急性期治療薬を使う日数が減るという効果が期待できます。また、重篤な副作用の報告が比較的少ないのも特徴です。


【Vol.146】新しい片頭痛治療(1)

Q)新しい片頭痛予防薬について教えて下さい(1)。

A)片頭痛の急性期にはトリプタンや鎮痛薬を使用しますが、つらい頭痛発作が月に何度も起こる場合には予防療法を併用します。また、頭痛の回数は少なくても日常生活に支障が出るほど痛みが強い場合、発作に対する不安感や恐怖感が強い場合、合併症や副作用のため急性期治療が行えない場合にも予防療法は勧められます。これまでの片頭痛予防薬は、各種血管拡張薬や抗てんかん薬、抗うつ薬といった他の病気の治療薬を経験的に転用しているケースが多く、効果や安全性、副作用などの課題がありました。その様な中、片頭痛に特化した予防薬である抗CGRP製剤が今年から使用可能になりました。「抗体医薬」という新しいタイプのお薬で、月1回だけ皮下注射するのみですが、日本頭痛学会、脳神経外科学会、日本神経学会など、認定専門医のいる頭痛に特化した施設でのみ受けられる治療です。


【Vol.145】脳ドックの新たな役割

Q)脳ドック受診の目的はどのようなものですか?

A)日本脳ドック学会には、2019年より「脳卒中・認知症予防のための医学会」というサブタイトルがつけられました。超高齢化社会になった現在、脳ドックに対する社会的要望は脳卒中予防だけでなく、認知症予防の比率が高まっているためです。今後は、まだ健常な時期から自身の認知機能状態を正確に把握し、リスク管理を積極的に行う仕組みが脳ドックに求められています。脳ドック学会においては、無症状の小さな病変を検出するために十分な性能を持つMRI機器とソフトウェアの使用、専門医による画像読影及び直接対面での受診結果の説明と指導などに加えて、認知機能のスクリーニング検査や頸動脈超音波検査を行うコースも設定することが学会認定施設の基準となっています。山口市国民健康保険の方は同市が行う簡易脳ドックも利用出来ます(今年度は12月20日まで)。

脳ドックの詳細については「脳ドックのご案内」ページをご覧ください。


【Vol.144】高齢者のめまいについて(1)

Q)草取りでめまいが起こりやすいですか?

A)高齢の方は、農作業や草取りなどの庭仕事で長時間前屈みの姿勢を取ることで、「頚性めまい」を引き起こしやすくなります。頸髄は頭の位置の変化や動きに関する情報を脊髄に伝え、姿勢や運動の制御で重要な役割を果たす、様々な神経の経路となります。加齢とともに変形性頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどを伴うことが多く、頚部に屈曲や伸展など過度の負荷が加わるとめまいが誘発されます。また、不自然な姿勢で肩こりが続くと、頚部交感神経が緊張して自律神経失調が生じたり、頚椎症の骨棘による椎骨動脈の圧迫のよる小脳、脳幹への循環不全がめまいを引き起こす可能性もあります。高い所へ洗濯物を干すため頭を上げるのも要注意です。くれぐれも長時間の作業を続けないようにしましょう。また頭痛、頭重感や顔面手足のしびれを伴う場合などは脳の検査をお勧めします。