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午後 2:30~6:00

 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.147】新しい片頭痛治療(2)

Q)新しい片頭痛予防薬について教えて下さい(2)。

A)片頭痛の病態にはカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の関与が示されています。CGRPは脳の硬膜や三叉神経節にある神経ペプチドであり、過剰に放出されると血管を拡張させ、血管周囲の神経の炎症を介して、片頭痛発作を引き起こします。片頭痛の新しい予防薬はヒト抗CGRP(受容体)モノクローナル抗体で、CGRPの活性を選択的に阻害し、発作が起こるのをおさえます。使用可能な方は、投与開始前3ヶ月以上で月に4日以上の片頭痛発作があり、急性期治療薬や既存の予防薬で治療したにもかかわらずコントロールが不良な患者に限定されます。1ヶ月あるいは3ヶ月に1回皮下に注射するタイプの薬剤で、片頭痛日数が減るだけでなく、発作時の痛みも軽減して急性期治療薬を使う日数が減るという効果が期待できます。また、重篤な副作用の報告が比較的少ないのも特徴です。


【Vol.146】新しい片頭痛治療(1)

Q)新しい片頭痛予防薬について教えて下さい(1)。

A)片頭痛の急性期にはトリプタンや鎮痛薬を使用しますが、つらい頭痛発作が月に何度も起こる場合には予防療法を併用します。また、頭痛の回数は少なくても日常生活に支障が出るほど痛みが強い場合、発作に対する不安感や恐怖感が強い場合、合併症や副作用のため急性期治療が行えない場合にも予防療法は勧められます。これまでの片頭痛予防薬は、各種血管拡張薬や抗てんかん薬、抗うつ薬といった他の病気の治療薬を経験的に転用しているケースが多く、効果や安全性、副作用などの課題がありました。その様な中、片頭痛に特化した予防薬である抗CGRP製剤が今年から使用可能になりました。「抗体医薬」という新しいタイプのお薬で、月1回だけ皮下注射するのみですが、日本頭痛学会、脳神経外科学会、日本神経学会など、認定専門医のいる頭痛に特化した施設でのみ受けられる治療です。


【Vol.145】脳ドックの新たな役割

Q)脳ドック受診の目的はどのようなものですか?

A)日本脳ドック学会には、2019年より「脳卒中・認知症予防のための医学会」というサブタイトルがつけられました。超高齢化社会になった現在、脳ドックに対する社会的要望は脳卒中予防だけでなく、認知症予防の比率が高まっているためです。今後は、まだ健常な時期から自身の認知機能状態を正確に把握し、リスク管理を積極的に行う仕組みが脳ドックに求められています。脳ドック学会においては、無症状の小さな病変を検出するために十分な性能を持つMRI機器とソフトウェアの使用、専門医による画像読影及び直接対面での受診結果の説明と指導などに加えて、認知機能のスクリーニング検査や頸動脈超音波検査を行うコースも設定することが学会認定施設の基準となっています。山口市国民健康保険の方は同市が行う簡易脳ドックも利用出来ます(今年度は12月20日まで)。


【Vol.144】高齢者のめまいについて(1)

Q)草取りでめまいが起こりやすいですか?

A)高齢の方は、農作業や草取りなどの庭仕事で長時間前屈みの姿勢を取ることで、「頚性めまい」を引き起こしやすくなります。頸髄は頭の位置の変化や動きに関する情報を脊髄に伝え、姿勢や運動の制御で重要な役割を果たす、様々な神経の経路となります。加齢とともに変形性頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどを伴うことが多く、頚部に屈曲や伸展など過度の負荷が加わるとめまいが誘発されます。また、不自然な姿勢で肩こりが続くと、頚部交感神経が緊張して自律神経失調が生じたり、頚椎症の骨棘による椎骨動脈の圧迫のよる小脳、脳幹への循環不全がめまいを引き起こす可能性もあります。高い所へ洗濯物を干すため頭を上げるのも要注意です。くれぐれも長時間の作業を続けないようにしましょう。また頭痛、頭重感や顔面手足のしびれを伴う場合などは脳の検査をお勧めします。


【Vol.143】新型コロナウイルスと頭痛について(1)

Q)マスクが引き金で頭痛が起こりますか?

A)新型コロナウイルス感染症が流行する中、マスクを長時間つけることで頭痛が引き起こることがあります。片頭痛持ちの方は、顔の知覚を司る三叉神経が過敏な傾向があります。マスクによる皮膚への過度の刺激が三叉神経を介して脳の興奮を引き起こし、頭痛発作を誘発するのです。また、マスクで充分な換気が出来ず血中の二酸化炭素濃度が上がると、脳の血管が広がって頭痛が起きやすくなります。マスクで熱がこもるのも脳血管拡張の一因です。さらに、帰宅してマスクを外した際にも注意が必要で、リラックスした状態になるのも脳の血管を拡張させやすくなります。頭痛を予防するためには、きついゴム紐や細いゴム紐のついていない、皮膚への刺激が少ない素材のマスクや冷感マスクなどを使用するようにして、マスクを外せる場所では適度に外して深呼吸をするようにしましょう。


【Vol.142】認知症をよく知ろう(2)

Q)認知症にはどのような種類がありますか?

A)認知症の種類のうち、代表的なものは「4大認知症」と呼ばれ、アルツハイマー型・血管性・レビー小体型・前頭側頭葉型を指します。認知症患者のうち全体の67.7%がアルツハイマー型に該当し、65歳以上の10人に1人に発症します。物忘れなどの「記憶障害」から始まり、場所や時間がわからなくなる「見当識障害」へと進行します。次いで多いのが血管性で、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など脳卒中後に発症します。3番目に多いレビー小体型は幻視が起こりやすく、パーキンソン病の症状も現れます。前頭側頭型は65歳以下の若年層に多く発症し、人格変化や異常行動が目立ちます。その他、頭部外傷後に脳の表面に血腫が貯まり脳を圧迫する慢性硬膜下血腫や、脳室が拡大して起こる正常圧水頭症、脳腫瘍、ビタミン欠乏症、甲状腺機能低下症など、適切な治療や処置で治すことが出来る認知症もあります。


【Vol.141】認知症をよく知ろう(1)

Q)認知症とはどのようなものですか?

A)「認知症」とは、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ、記憶や判断する力が低下したり、時間や人、場所の認識ができないなど認知機能の障害がおこり、その結果、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態です。加齢によるもの忘れは、「体験の一部」「何を食べたか」「約束をうっかり」「目の前の人の名前」を忘れるのに対して、認知症のもの忘れは、「体験の全部」「食べたこと自体」「約束したこと自体」「目の前の人が誰なのか」を忘れます。また認知症と区別する病態として、老年期うつ病、せん妄、統合失調症、てんかんなどがあります。老年期うつ病では、もの忘れの自覚があり、誇張もしますが、認知症では、もの忘れの自覚が少なく、取り繕いをします。また、認知症の症状は緩徐に進行しますが、せん妄は意識障害による精神症状で急激に進行して夜間に悪化するのが特徴です。


【Vol.140】脳ドックは脳卒中・認知症予防のため(2)

Q)脳ドックにおける認知症予防について教えてください。

A)脳卒中だけでなく、認知症予防の最も重要な目標は血管の健康維持です。特に中年期の血管系の危険因子が、老年期の認知機能の低下に関連することは明らかです。脳ドックではリスク因子を把握し、MRI/MRA検査や頸動脈超音波検査などによる脳血管の動脈硬化の早期発見が重要となります。運動不足、腎機能障害、糖尿病、高コレステロール、喫煙、肥満、高血圧、うつ、冠動脈疾患が30年後の認知症のリスクを高め、少量のアルコール摂取、野菜や魚介類を多く摂る地中海食、社会活動への参加がリスクを減らすとされています。さらに、フィンランドで実施され2015年「Lancet」に掲載された「FINGER」と呼ばれる研究では、運動、食事、認知トレーニング、血管リスク管理といった生活習慣の改善によって、認知症発症リスクがある患者の認知機能の低下を予防することが示されました。


【Vol.139】脳ドックは脳卒中・認知症予防のため(1)

Q)脳ドックの新たな役割について教えて下さい。

A)日本脳ドック学会には、2019年より「脳卒中・認知症予防のための医学会」というサブタイトルがつけられました。超高齢化社会になった現在、脳ドックに対する社会的要望は脳卒中予防だけでなく、認知症予防の比率が高まっているためです。今後は、まだ健常な時期から自身の認知機能状態を正確に把握し、リスク管理を積極的に施す仕組みが脳ドックに求められています。脳ドック学会においては、無症状の小さな病変を検出するために十分な性能を持つMRI機器とソフトウェアが使用されていること、画像読影は専門医が行うこと、医師の面談により脳ドックの結果通知がされることなどに加えて、認知機能のスクリーニング検査や頸動脈超音波検査を行うコースも設定することが学会認定施設の基準となっています。山口市国民健康保険の方は山口市が行う簡易脳ドックも利用出来ます。


【Vol.138】血管いきいき教室(10)

Q)動脈硬化予防のためにはどのような運動がよいでしょうか?

A)運動療法は善玉HDLコレステロールを増やし、中性脂肪を減らす働きがあります。全身を動かし、多くの酸素を取り込んで体内の脂肪を燃焼させる有酸素運動が効果的です。ウォーキング、速歩、水泳、スロージョギング、自転車など、1日の合計30分以上週3回以上の運動が推奨されます。軽く汗をかき、ややきつく感じるが、息切れしない程度が目安です。ウォーキングは視線を遠くに、背筋を伸ばして、腕を大きく振って、歩幅は広くかかとから着地します。掃除、洗車、子供と遊ぶ、買い物へ行くなどの生活活動のなかで身体活動量を増やすことからはじめるのもよいでしょう。運動の効果を高めるためには、筋力トレーニングも行い筋肉の増強をはかり、基礎代謝を増やしましょう。さらにストレッチをすると血流をよくして疲労物質の排出を促す効果があります。