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午後 2:30~6:00

 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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【Vol.13】血液サーラサラ(その1)

Q)隠れ脳梗塞があると言われました。脳梗塞を予防する食べ物ってありますか?

A)脳梗塞は脳の血管が血栓によってふさがれることにより引き起こされます。
脳梗塞を予防するには、血液をサラサラにしてくれる効果のある魚や野菜を中心とした食事が効果的です。魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は動脈硬化を招く血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らしてくれる不飽和脂肪酸です。さらに、血栓のもととなる血小板の働きをおさえる働きもあります。EPAとDHAの量が多い魚ほど血液をサラサラにする効果が高いと考えられます。
魚料理の王道といえば焼き魚。サラサラ効果の高いあじ、さば、さんま、ぶり、さけ、いわし、うなぎ、さわらなどがおすすめです。網焼きは先に表面を焼き、栄養やうまみを閉じこめてから身に火を通すのがコツで、サラサラ成分も保たれます。ただしEPA・DHAを含む魚の脂が落ちてしまうので焼きすぎは禁物。また、フライパンで焼く調理は魚の脂が落ちないためEPA・DHAをまるごととれます。
次回もサラサラ効果の高い魚と調理法を一挙公開しましょう。


【Vol.12】脳ドックは怖いの?

Q)健康診断と一緒に「脳ドック」を受けてみたいと思うのですが、少し迷っています。

A)「脳ドック」は、脳卒中になる前に危険因子を発見して、その発症や進行を防ぐことを目的とした脳の健康診断です。
脳ドックのメニューはMRIとMRA(血管撮影)が中心となります。血管撮影といっても造影剤は使わないので、痛みや危険を伴わず検査をおこなえるのが特徴です。
多くの人は将来の認知症(痴呆)や脳卒中への不安を抱きつつも、脳ドックの受診にはためらいがあります。万一病気が見つかった場合の覚悟が必要だからです。最近は病気の自然歴(放っておいた場合どうなるか)が徐々にわかりつつあり、治療のガイドラインも徐々に確立しつつあります。適切な指導による対応がなによりも重要です。身内に脳疾患の既往がある人、高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病がある人、責任のある立場の方のリスクマネジメント等に特にお勧めします。ただし、頭痛・めまい等の症状がある場合は直接脳神経外科などを受診されたほうがよい場合もあります。
ちなみに、山口市の国民健康保険の場合は1割の個人負担で受診が可能なので、上手に利用してください。

脳ドックの詳細については「脳ドックのご案内」ページをご覧ください。


【Vol.11】「もの忘れ」って病気なの?(その2)

Q)高血圧症の治療を受けていますが、最近、頭痛・めまいと共に「もの忘れ」が気になります。

A)認知症(痴呆)には、脳の血管が詰まったり出血したりしておこる“脳血管性痴呆”と、脳の神経細胞が減っていく“アルツハイマー型痴呆”があります。“脳血管性痴呆”は多くの場合、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病がベースにあります。慢性的な脳の血流障害が原因となり、もの忘れ・頭痛・めまいなどの自覚症状を有する場合もありますが、脳卒中発作により症状は階段状に悪化します。“アルツハイマー型痴呆”の場合はそのような生活習慣病がない場合が多く、徐々に「もの忘れ」がひどくなっていくため発症の時期もはっきりしません。“脳血管性痴呆”と“アルツハイマー型痴呆”は症状の経緯や画像検査などから鑑別します。
ところで、軽く頭をぶつけた後に徐々に頭の中に出血が溜まって脳を圧迫する慢性硬膜下血腫や、脳脊髄液の流れが悪くなって頭の中に水が溜まる水頭症も「もの忘れ」の症状をきたしますが、適切な治療で治る可能性がありますのでよりいっそう早期診断が重要です。


【Vol.10】「もの忘れ」って病気なの?

Q)最近「もの忘れ」がひどくなり、人の名前などがすぐに出てこないことがあります。

A)誰しも「もの忘れ」の経験はありますが、「もの忘れ」が多くなると認知症(痴呆)の始まりではないかと心配になります。では普通の「もの忘れ」と認知症の「もの忘れ」の違いはなんでしょうか。一番の違いは、普通の「もの忘れ」は体験の“一部”を忘れるのに対して、認知症は体験の“全体”を忘れてしまう点です。たとえば、普通の「もの忘れ」の場合、昼食に何を食べたかを忘れる程度で、記憶の帯は途切れることなく生活にも支障をきたしません。ところが認知症の場合は食事をしたことさえ忘れてしまうのです。つまり記憶の帯は全体の部分が抜けてしまって途切れてしまうため、時間の混乱などから生活に支障をきたしてしまうのです。また約束を忘れる場合でも、認知症では約束があったことさえ忘れてしまうのです。しかし、軽い「もの忘れ」で生活に支障をきたさなくてもその方の本来の能力や生活状況からみて異常が疑われれば、画像検査や知能検査などの客観的な評価が必要でしょう。


【Vol.9】頭痛の迷路から抜け出すには?

Q)仕事と育児で忙しい毎日なのに、最近いつも頭が重く、また時々強い頭痛と吐き気で寝込んでしまうこともあります。

A)壮年期は「片頭痛」も「緊張型頭痛」も多い時期です。思春期からおこっているズキンズキンとする片頭痛の痛みは以前よりひどくなり、また仕事や家事などのストレスなどから緊張型頭痛による頭重感も起こるようになります。さらにこの2種類の頭痛のために鎮痛薬を飲むタイミングがわからず頭痛がひどくなるのを恐れてついつい飲みすぎてしまい、「薬剤乱用頭痛」を招いてしまうこともあります。
この袋小路から抜け出すにはまずは自分の頭痛のパターンを理解することが重要です。いつ、どんな痛みだったのか、どの位つづいたのかなど経過がわかるように頭痛の日記をつけることで、「片頭痛」と「緊張型頭痛」のどちらの頭痛がおこったのかがわかります。そして緊張型頭痛に対してはなるべくストレッチやマッサージなどで対処して服薬の回数を減らし、日常生活をそこなう片頭痛の痛みに対してはトリプタンなどの頭痛薬を使用するのが治療の基本です。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.8】「更年期の頭痛」ってあるの?

Q)最近、頭痛やめまいをきたすことが多くなったのですが、更年期のせいでしょうか?

A)更年期には女性ホルモンの急激な低下に自律神経がついていけず、ほてり、のぼせ、急な発汗などの更年期障害をきたすことが知られていますが、頭痛やめまいなどの精神神経症状が前面にでることも珍しくありません。また更年期のころは精神的ストレスと肩こりなどの身体的ストレスが重なり緊張型頭痛をきたしやすくなります。ただし頭痛やめまいを更年期の症状と診断するには脳の病気が隠れていないことが前提です。“今までと違う感じの頭痛やめまいがある”場合はやはり注意が必要です。
このような更年期の頭痛を改善させるのに、植物性エストロゲンの含まれた食品である大豆、ライ麦、ごま、エンドウ豆、インゲン豆などの摂取をお勧めします。特に、女性ホルモン様作用のあるイソフラボンを多く含む大豆は、片頭痛の予防効果のあるマグネシウムを多く含むことでも知られています。又、首すじや肩の適度なマッサージやストレッチも効果的です。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.7】「脳が悪い」はどこが悪い?

Q)歳をとってから、毎日のように脳が悪いのですが…。

A)高齢期になると、片頭痛のような強い血管性の頭痛は減ってきますが、代わりに筋肉の緊張による“緊張型頭痛”がふえてくるのが特徴です。軽い頭痛や頭重感、頭部のしびれ、首や肩のコリなどが慢性的に続くため「脳が悪い」と表現されるのかもしれません。めまいやふらつきを伴う場合もあります。特に頭を支える頚椎(首の骨)が加齢によって変形してくると、周辺の筋に負担がかかるため緊張型頭痛が起こりやすくなります。緊張型頭痛に対しては鎮痛薬以外にも筋の緊張を和らげるお薬などが効果的です。
緊張型頭痛は危険な頭痛ではありませんが、高齢期には危険な頭痛も多く注意が必要です。頭を軽く打ったあとなどに頭の中に少しずつ出血してたまっていく慢性硬膜下血腫も高齢期によく見られます。また脳の血流量が減少する慢性脳循環不全でも頭重感などの症状をきたします。頭痛に物忘れなどの症状がある時は検査を受けてみられることをお勧め致します。


【Vol.6】「隠れ脳梗塞」は歳のせい?

Q)MRIで「隠れ脳梗塞」が見つかりましたが、年齢的なものだと言われました。

A)「隠れ脳梗塞」は正確には「無症候性脳梗塞」と呼ばれ、今まで脳卒中の既往や症状がないのにMRIなどにより脳梗塞がみられるものです。無症候性脳梗塞は60代から急に増加して、70代以降では3割以上に見つかると報告されています。しかし、無症候性脳梗塞がある場合は、ない場合よりも脳卒中をおこす危険性が10倍高くなるというデータもあるため注意が必要です。無症候性脳梗塞の最大の危険因子は高血圧症であり、まずは血圧の管理が重要です。また頚動脈エコー検査やMRA(アンギオ)をおこない、あたまの中や首の血管の狭窄などの異常が見つかった場合は脳梗塞の予防薬を服用する必要があります。脳血管の異常がない場合は年1回定期的に検査し、経過観察されることをおすすめします。無症候性脳梗塞が見つかった場合過度に心配する必要はありませんが、脳梗塞自体に変わりはなく症状を出さなかっただけに過ぎないという理解が必要です。


【Vol.5】「しびれ」は病気の黄信号?

Q)最近手の指先がジンジンしびれています。

A)ジンジン、ピリピリ、チクチク、ズキズキと「しびれ」の表現は実にさまざま。「しびれ」は日常生活において身近な症状の一つで、少し気にはなりながらも、そのまま放置されている方もいると思います。しかし、しびれは全身のさまざまな病気で引き起こされます。「しびれ」は、手足の神経に原因のある「末梢性のしびれ」と脳や脊髄に原因のある「中枢性のしびれ」とに分けられます。脳の病気の場合は、片側の手足や口唇などにしびれをきたしやすいことが特徴です。特に高血圧や糖尿病、高脂血症といった生活習慣病のある方が手にしびれをきたした時は、脳梗塞の初期症状の疑いもありますので注意が必要です。また、左右対称性に手足のしびれがくる場合は脊髄の病気の可能性があります。特に後頭部や首の痛みを伴う場合は、首の骨(頸椎)の変形やヘルニアが疑われます(X線やMRIによる検査で診断可能です)。このような「しびれ」の黄点滅を見過ごさないようにしましょう。


【Vol.4】冬のお風呂はご用心

Q)お風呂から上がる時立ちくらみがすることがあります。

A)日本人はお風呂好きの国民で、「お風呂は百病を防ぐ」ともいわれます。しかし、入浴に関係した事故や死亡も多く、特に寒い時期に集中しています。その多くは、入浴前後の血圧の変動が関与しています。寒い脱衣場や浴室では、血管が収縮して血圧は上昇します。さらに高温のお風呂では熱さのため交感神経が緊張して血圧を上昇させます。特に高血圧の方は血圧が上がりやすく、血管が破綻して脳出血をおこす危険性があります。一方、入浴により体温が上昇すると血小板同士がくっつきやすくなります。さらに発汗により血液が濃くなるため血栓を生じて脳梗塞をおこしやすくなるのです。お風呂に入る際は「入浴前後にコップ一杯の水分補給」「冬期間は脱衣場や浴室を暖めておく」「風呂の温度は38℃から40℃」などの注意が必要です。中高年の方がお風呂で立ちくらみやめまいをきたす場合は動脈硬化による脳の血流障害の可能性もありますので、脳の検査をお勧め致します。