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※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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【Vol.27】 突然の激しい頭痛にご用心(その1)

Q)くも膜下出血の頭痛はどのようなものでしょうか?

A)脳は内側から、軟膜、くも膜、硬膜という3層の膜によっておおわれています。脳脊髄液で満たされた、軟膜とくも膜の間の「くも膜下腔」に出血するのが、くも膜下出血です。発症の原因として最も多いのは、脳の表面、つまりこの「くも膜下腔」を走る太い血管にできた脳動脈瘤の破裂です。動脈瘤とは動脈の一部がこぶ状に膨らんだもので、その血管壁は薄く不完全なため破裂しやすいのです。
くも膜下出血の頭痛の特徴は“いつ”始まったとはっきりわかる激しさです。頭痛の経過は、だんだん痛くなるのではなく、一瞬にしてピークに達する激しい痛みがし、ガンガンした痛みが持続します。また頭痛を訴えたあと、吐き気や嘔吐、意識障害をきたすことが非常に多いのです。多くの患者さんは症状が重篤で救急車で病院へ運ばれるのですが、なかには少量の出血のため頭痛が軽い時もあります。「かぜ」による頭痛くらいに思われて外来を受診し、CT検査ではじめて見つかる場合もあるのです。
“今まで経験したことのない突然の激しい頭痛”には注意が必要です。


【Vol.26】 脳梗塞注意報(その7)

Q)脳梗塞を起こした後の治療はどのようなものでしょうか?

A) 脳梗塞発症から1ヶ月以降の「慢性期」治療の目的は、脳梗塞の再発防止です。一度脳梗塞を起こした患者さんは再発しやすく、再発率は年間数%から10%前後と報告されています。再発防止には、最大の危険因子である高血圧の管理がなにより重要です。脳梗塞後は脳血流が低下しないよう、緩やかに時間をかけて 140/90mmHg未満にコントロールする必要があります。また血栓を防ぐ抗血栓療法を行います。いわゆる、血液を“サラサラ”にする薬です。脳血栓症にはアスピリン(商品名:バイアスピリン)、チクロピジン(商品名:パナルジン)などの抗血小板薬、脳塞栓症にはワーファリンという抗凝固薬が用いられます。これらの薬剤の服薬中は止血されにくくなるため、抜歯、内視鏡検査、手術などを受けるときは、数日間の休薬が必要な場合があります。またビタミンKの豊富な食品はワーファリンの効き目を弱めることがあるため、キャベツやほうれん草などの緑黄色野菜は控えめにし、納豆、クロレラ、青汁は避けるようにしましょう。なお、アスピリンやチクロピジンに関しては、そのような制限はありませんのでご安心を


【Vol.25】 脳梗塞注意報(その6)

Q)脳梗塞になった場合、早期の治療開始が重要なのはどうしてでしょうか?

A)脳梗塞の治療は発症から2週間目くらいまでの「急性期」と、1ヶ月以降の「慢性期」で異なります。
「急性期」治療の目的は、血管が詰まってしまい、血流がとだえた脳が脳梗塞になるのを防ぐことです。血栓溶解療法は、詰まった血管の血栓を溶かすことによって、血液の流れを再開させます。特に最近、心筋梗塞の治療に使われていた組織プラスミノーゲンアクチベータ製剤(T-PA)という血栓溶解剤の、急性期脳梗塞に対する使用が認可され、治療の選択肢が広がりました。但し、T-PAは発症から3時間以内の投与が必要なため、治療を開始するまでの迅速な対応が求められます。血流がとだえてから時間がたち壊死した脳の組織は、動脈が再開通しても機能の回復は望めません。MRI・CTで梗塞巣がはっきり出現した部分は、回復が困難になっていると言えます。
血栓溶解療法以外にも、脳の組織を保護する脳保護療法、脳のむくみを解消する抗脳浮腫療法、二次血栓の形成を防ぐ抗血栓療法などがあります。これらの治療法は脳梗塞による後遺症を最小限に軽くするのを目的としているのです。


【Vol.24】 脳梗塞注意報(その5)

Q)脳梗塞で倒れた人を見かけたら、どのように対処したらよいでしょうか?

A)脳梗塞の発作を起こした人がいたら、周囲の人は落ち着いて対処し、まず倒れた人を安静な状態にしてください。その際、ネクタイやベルトなどは緩め、ボタンをはずして首まわりを楽にしてあげてください。枕はせず、タオルケットなど軽い寝具をそっとかけてあげましょう。
次に意識や麻痺の程度などの容態をすみやかに観察してください。意識がない場合は、呼吸の有無を確かめます。呼吸をしていなかったり、あえいでいるときは、あごを突き出させて舌の付け根がのどに落ち込まないようにし、気道(空気の通り道)を確保します。また、吐き気を訴えたり、吐いたときは、頭を身体ごと横に向け、吐いた物が気管につまらないようにしてあげましょう。麻痺がある場合は、麻痺している側を上にして、静かに横にしてあげてください。倒れている人を安静にしたら、すぐに救急車の手配をしましょう。たとえ症状が軽い場合であっても、速やかに医療機関へ受診させてください。脳梗塞の急性期の治療は時間との勝負であり、時間が経ってからでは充分な機能の回復が望めないからです。


【Vol.23】 脳梗塞注意報(その4)

Q)脳梗塞はどうしたら防げますか?

A)脳梗塞の発症を予防するため、あるいは再発を防ぐためには、その危険因子を知っておくことが大切です。
<高血圧>高血圧は脳卒中を起こす最大の危険因子です。高血圧が続くと血管に圧力がかかるので動脈硬化による脳梗塞を招いたり、血管が脆くなって脳出血をおこしやすくなるのです。
<心臓病>心房細動や心臓弁膜症では、心臓内に血栓(血のかたまり)ができやすくなり、血栓がはがれて脳に至ると脳梗塞がおこります。
<糖尿病・高脂血症>高血糖の状態や高コレステロール血症を放置すると、動脈硬化を悪化させて、血栓性の脳梗塞を起こしやすくなります。
その他として、肥満・喫煙・お酒の飲み過ぎ・ストレスなども危険因子になりかねません。
予防としては、塩分、脂肪分はひかえる、体力にあった運動をつづける、禁煙(たばこは百害あって一利なし!)、節酒(日本酒で1日1合まで)、脱水に注意する、ストレスや疲労をためない、入浴時の注意(37~40度のお湯で15~20分程度、脱衣所や浴室をあたためる)。
毎日の暮らしの中からできるだけ危険因子を減らし、脳梗塞の予防に努めましょう。


【Vol.22】 脳梗塞注意報(その3)

Q)脳梗塞が心配で受診したいのですが、どのような診察や検査を受けるのでしょうか?

A)脳梗塞や一過性脳虚血発作が気になり病院を受診した場合、神経学的診察が行われます。“神経学的”といっても痛みや負担はありません。瞳孔反射や眼の動き、会話や発語の具合、顔面の麻痺や知覚、腕や足の筋力や知覚、歩行や平衡感覚などを観察するのです。
脳梗塞の正確な診断には画像検査が必要です。CT検査はX線を用いた画像検査で、特にクモ膜下出血や脳出血の早期発見につながります。しかし、脳梗塞に関しては小さな梗塞や脳幹などの深い部位の梗塞の描出がやや劣ります。
MRI検査は磁気を利用した安全性の高い画像検査です。小さな梗塞や脳幹梗塞にも力を発揮します。一過性脳虚血発作の場合でもMRI検査でみると小さな梗塞が出来ている場合も多いのです。さらに、造影剤を注射せずに脳血管を描出させることも可能です(MRA)。
頚動脈超音波検査は、首(頸部)の血管の動脈硬化や血流の状態を見る検査です。血管の壁が厚くなると、血液の通り道が狭くなり脳梗塞の原因となるのです。プローブ(発振器)を首にあてるだけなので、痛みやからだへの負担もなく簡単におこなえます。


【Vol.21】 脳梗塞注意報(その2)

Q)片方の顔面がしびれるといった症状が何度かあったのですが、放っておいても大丈夫でしょうか?

A)“あれっ?おかしいな?”といったちょっとした身体の変調が、脳こうそく(梗塞)の前ぶれということもあります。
「急に片方の手足がしびれる、力が入らない」「言葉が上手にしゃべられない、もつれる」「めまいがしたり、ふらふらする」「ものが二重に見えたり、ゆがんで見える」「急に片方の眼がみえにくくなる」「まっすぐ歩けない」などの症状が現れても、5~15分程度で消えてしまうことがあります(一過性脳虚血発作)。このような危険信号が気になりつつも、“歳のせいかしら?”“疲れているのかな?”“アルコールのせいかな?”ですませてしまった経験はありませんか?たとえ血栓がつまっても、わずかな時間で溶けて血流が再開すれば大事には至りません。しかし、「血栓が溶けてなくなったから安心」というわけではありません。一過性脳虚血発作を経験した人の2~3割は数年以内に脳梗塞を発症するという報告もあるのです。
“念のために”と一度検査をおこない、なんでもなければひと安心です。万一、検査の結果、脳の血管に異常が見つかれば、早期治療によって脳梗塞への移行を防ぐことができるのです。


【Vol.20】 脳梗塞注意報(その1)

Q)「脳こうそく」と「脳卒中」は同じなのでしょうか?

A)「脳こうそく(梗塞)」とは、脳の血管がつまって血流が途絶え、脳がダメージを受けてさまざまな症状を引き起こす病気です。
脳梗塞には動脈硬化が原因で大小の血管がつまるタイプと、心臓から流れてきた血栓がつまるタイプ(脳塞栓症)とがあります。
脳梗塞の急性型として「脳卒中」という言葉が一般的によく使われます。「卒」は突然にという意味で、「中」は“中毒”で使われるのと同様になにかにあたる(中る)の意味です。つまり脳卒中は“なにかにあたったかのように突然発症する”のです。さらに平安時代から“悪い風や気にあたる”という同様の意味で中風(ちゅうふう、ちゅうぶう、ちゅうぶ)や中気という言葉も使われていました。
ところで、“あたらない”脳梗塞もあり、MRIなどではじめて見つかるものです(無症候性脳梗塞)。さらに“あたりかける”あるいは“あたり損なう”こともあり、短時間で症状がすっかり消えてしまいます(一過性脳虚血発作)。しかし、一過性脳虚血発作は脳卒中の危険信号であり、そのまま放っておくと本当に“あたってしまう”可能性があるため、早期の対処が必要なのです。


【Vol.19】「ぐるぐる」と「ふわふわ」(その3)

Q)めまいの予防法について教えてください。

A)めまいを悪化させる誘因として、睡眠不足、ストレス、風邪などの体調不良、低気圧の接近、忙しい行事の後の疲労、生理の前後や更年期の時期などがあげられます。家事においては、台所仕事や掃除は下向きの姿勢、ふとんの上げ下ろしは上向きおよび下向きの姿勢で、めまいを誘発しやすいのです。
日常生活でのめまいの予防として、禁煙を心がけ、アルコールはたしなみ程度にしましょう。また軽いジョギング、早歩きの散歩、水泳などの運動がお勧めです。
病院ではめまいの原因によって、内耳の働きや血流を良くする薬、脳の血流を良くする薬、自律神経やストレスに対する薬などが処方されます。さらに、眼運動などの「めまいのリハビリテーション」の指導を受けて自宅でおこなうのもよいでしょう。
めまい持ちの人は、耳鳴り、耳の詰まった感じ、何となくふらつく、後ろ頭が重い、肩こりが強い、などの“前兆”がある場合の外出はさけてください。
万一めまいが起きても、あわてないことが大切です。静かな部屋で、目を閉じて安静にします。衣類をゆるめて、何回か腹式呼吸をします。めまいがよくならない場合は早めに病院へ受診してください。


【Vol.18】「ぐるぐる」と「ふわふわ」(その2)

Q)“めまい”が気になるので病院にいこうと思うのですが、どのような検査を行うのでしょうか?また“めまい”がある時でないと診断してもらえないのでしょうか?

A)「めまい外来」においては、めまいの原因が内耳(三半規管や耳石)にあるのか脳にあるのか、あるいは全身の問題なのかの鑑別が重要です。
まず、診察室においては、どのような状況で、どのような姿勢の時に、どのような“めまい”が、どのくらい続いたかなどを問診します。続けて血圧や聴力検査、眼振という目の動きの異常の観察、また体のバランスが乱れているかどうかなどの検査をおこないます。
脳の異常が疑われる場合、MRI・CT等の画像検査が行われます。特にMRIで脳の血管を描出(MRA)することも重要です。動脈硬化の影響で曲がったり狭くなったりすると流れがわるくなるからです。また頸椎(首の骨)のレントゲンを撮ることもあります。頸椎の変形によって骨の一部が血管を圧迫して血流をわるくすることもあるからです。
その他必要に応じて、心電図や血液検査なども行われます。
ちなみに、めまいの診断は“めまい”のない時でも可能なのでご安心を。