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 診療時間 

午前 9:00~12:30
午後 2:30~6:00

 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.77】「脳ドック」へ行こう

Q)くも膜下出血にならないようにするにはどうすればよいでしょうか?

A)最近30代の女性歌手がくも膜下出血で倒れたのがきっかけで、マスコミなどでも脳ドックが話題になっています。脳ドックは、脳卒中になる前に危険因子を発見して、その発症や進行を防ぐことを目的とした脳の健康診断です。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤を破裂する前に発見できるのです。
脳ドックはMRIとMRA(血管撮影)が中心となります。造影剤は使わないので、痛みや危険を伴わず検査をおこなえるのが特徴です。脳動脈瘤以外にも、無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)や無症候性脳腫瘍などがみつかることがあります。
身内に脳疾患の既往がある人、高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病がある人、責任のある立場の方のリスクマネジメント等に特にお勧めします。
山口市の国民健康保険の場合は2割の個人負担で簡易脳ドックを受けられます。医療機関とあらかじめ日程の調整をし、脳ドックを受ける10日前までに各総合支所国保担当窓口又は出張所・支所でお申し込みください。今年度の簡易脳ドックの実施期間は12月20日までです。


【Vol.76】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(8)

Q)片頭痛の誘因はどのようなものですか?

A)スポーツの秋が到来しましたが、片頭痛の患者さんは運動によって頭痛発作を誘発あるいは増悪させることがあるため注意が必要です。
運動をすると、脳の血管が急に拡張するため、頭痛がおこりやすくなるのです。特に屋外のスポーツは、日差しの強い中でおこなわれると頭皮の温度が上がるため血管の拡張を助長します。また屋内のスポーツでも、室内が熱気に満ちて気温も上昇すると、血管の拡張をひきおこすのです。
大人だけではなく子供の片頭痛でも同様で、学校の体育の時間に頭が痛くなって、保健室で休むことが多くなります。サボっているのではと誤解されやすいので、担任の先生へ片頭痛持ちであることを説明しておく必要があります。
運動時の頭痛を避けるためには、急激な体温の上昇を避けるため、まめに水分補給をして、冷たいタオルでクーリングすることです。また頭痛発作が出現した際は無理をせず休憩することも大切です。その際、屋外の場合はなるべく日陰をさがして休む、屋内の場合も通気のよい場所を見つけることです。


【Vol.75】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(7)

Q)片頭痛の誘因はどのようなものですか?

A)季節でいえば、夏は片頭痛を起こしやすい季節といえます。真夏の太陽の光が眼に突き刺さると、眼の神経からの情報を受ける後頭葉を刺激して片頭痛を起こすことが多いのです。特に海水浴に出掛ける際は注意が必要です。波間に乱反射する太陽の光を浴びて脳が興奮し、さらに炎天下にさらされると脳の血管が拡張するため頭痛発作を起こしやすくなるのです。特にこの時期高い気温の中での頭痛は「熱中症」と診断されてしまう可能性もあります。熱中症は高温下で体温調節が出来なくなり体温が上昇してしまう機能障害ですが、頭痛、めまい、吐き気、倦怠感のほか、意識障害、錯乱、昏睡、けいれんを起こすこともあります。
また片頭痛の患者さんは、温度差と同時に、気圧の変化に対しても敏感です。これは、低気圧が近づくと、抑えが弱くなるため身体といっしょに脳の血管が膨張しやすくなるためです。そのため、天気が悪くなる前は頭痛がおきやすくなるのです。特に台風が接近しているときは、頭痛にも警戒が必要です。


【Vol.74】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(6)

Q)片頭痛の誘因はどのようなものですか?

A)ゴールデンウィークは片頭痛発作がおきやすい要注意期間の一つです。睡眠や食事などの生活パターンが変化して、通常の休日以上に脳の血管が緩みやすい環境になるからです。さらに今年は連休後半に日差しが強く気温もあがり、片頭痛持ちの方にとっては最悪のコンディションだったと言えましょう。急に日差しの強い外へ出たりすると、頭皮の温度が上がり血管が広がって、頭痛発作を起こしやすくなるのです。またこの期間に車で行楽地へ遠出するのもよくありません。頭痛持ちの方にとっては車の振動が苦手な場合が多いにもかかわらず、道路の渋滞のため通常よりも時間がかかってしまい、さらに行楽地でも人混みにまみれて頭痛発作を起こしやすくなるのです。連休明けの私の外来へ来られた患者様達も頭痛薬の消費がいつもより多かったようです。今年、せっかくの連休を頭痛で寝込んでしまい無駄にすごしてしまった方は来年への教訓として、連休にせず数日置きに予定や仕事を入れる、遠出や人混みへの外出をしない、強い日差しを避ける、など心掛けましょう。


【Vol.73】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(5)

Q)片頭痛の誘因はどのようなものですか?

A)片頭痛は少しの体調の変化にも敏感に反応して起こります。たとえば副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症は片頭痛を悪化させる大きな誘因となります。風邪などを引いたあとに副鼻腔炎を合併すると、鼻の粘膜に網目状に分布している三叉神経を刺激して、その情報が脳の血管周囲を取り巻く三叉神経にも伝わり三叉神経末梢から炎症物質が放出され脳の血管が炎症をおこして、片頭痛の痛みを増幅させてしまうのです。ところで花粉症のシーズンに入り、特に今年は例年よりもスギ花粉の飛散量が多く花粉症の症状に悩まされている人も多いと思われますが、この花粉症も副鼻腔炎と同様に鼻の粘膜に炎症を起こしてしまうため、片頭痛の誘発因子となりうるのです。さらにこのような鼻のトラブルだけでなく、歯のトラブルも片頭痛の悪化に関係してくるので注意が必要です。実は歯にも三叉神経が入っていて、虫歯で三叉神経が刺激されると歯の痛みを起こすだけでなく、その情報が脳の血管にも伝わり片頭痛の程度や頻度が増すことがあるのです。


【Vol.72】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(4)

Q)片頭痛の誘因はどのようなものですか?

A)片頭痛は緊張しているときよりも、緊張から解放されてリラックスした時のほうがおきやすいという特徴があります。緊張が解けて副交感神経が優勢になるためで、脳の血管が緩み拡張して血管の周りの三叉神経が刺激されるのです。
そのため、仕事をしているときよりも仕事が終わって家に帰ってほっと一息ついたときのほうが、頭痛が起こることが多いのです。
また、土曜日や日曜日、もしくは休日になると平日の仕事の緊張から一気に解放されて頭痛発作が起こることが多いため、「週末頭痛」と呼ばれることもあります。つらい頭痛のために、せっかくの週末の予定を変更しなければならないこともたびたびです。
さらに休日の朝に昼過ぎまで寝ていると、頭痛発作を起こしやすくなります。その原因のひとつは、寝過ぎにより低血糖をおこすことにあります。
空腹は、片頭痛をまねく誘因となります。血糖値が低下すると、脳の血管が拡張して片頭痛を起こしやすくなります。そのため、朝食を抜いて学校や仕事に行くと、お昼前になって頭痛が起こりやすくなるのです。


【Vol.71】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(3)

Q)片頭痛の発作はどのようにしておこるのでしょうか?

A)片頭痛は、脳の血管が拡張して、発作性に激しく痛みを繰り返す頭痛です。片頭痛の病態として現在は「三叉神経血管説」が有力です。血液中の血小板から放出されるセロトニンという神経伝達物質には血管を収縮させる働きがあり、脳の血管の収縮と拡張の調整を担っています。そのセロトニンが、何らかの理由で血管内に大量に放出されると脳の血管は収縮します。ところが、セロトニンが出尽くしてしまうと今度は逆に脳の血管が急激に拡張します。拡張の刺激によって血管を取り巻く三叉神経が興奮性を増し、三叉神経の末端から炎症物質(痛み物質)が放出され、血管が炎症をおこします。これらの情報が、三叉神経を介して脳幹部より大脳に伝わり頭痛を引き起こすのです。この一連の発作の最初の引き金として、精神的・身体的ストレス、寝過ぎや寝不足、空腹、強い日差し、入浴、気圧や温度の変化などがあげられます。次回はこれら片頭痛の誘因についてです。


【Vol.70】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(2)

Q)片頭痛はどのような病気でしょうか?

A)片頭痛は頭痛発作を繰り返す病気で、中等度~重度の痛みが4~72時間持続する、片側性、拍動性(ズキズキする)の頭痛です。しかし両側性に痛むことも多く、拍動感のない痛みの場合もあります。ちなみに片頭痛の「片」は、昔は「偏」と表記されていました。発作が一定期間に「偏る」という意味で使われ、「片側」ということではありません。通常、片頭痛は1ヶ月に1~2回、多い人では1週間に1~2回くらい頭痛発作に見舞われます。
自分の頭痛が片頭痛だと判断するのに一番重要なのは、いったん痛み出すと寝込んでしまう、仕事や家事が手につかない、など日常生活に支障をきたしてしまうかどうかです。片頭痛は吐き気や嘔吐を伴うことが多く、普段は何でもないような光や音、あるいは臭いに過敏になる、といった症状がみられることもよくあります。また、歩行や階段の昇り降りなどの日常的な動作によって、頭痛は悪化してしまいます。頭を少し動かしただけで、痛みが激しくなる場合もあります。


【Vol.69】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(1)

Q)頭痛はどのように分類されますか?

A)頭痛は日常生活のいろいろな場面で出現しますが、一次性頭痛と二次性頭痛に大別されます。
二次性頭痛は、脳あるいは身体的原因のある頭痛です。その中には風邪や二日酔いなど身近な原因でおこる頭痛もあれば、クモ膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎など治療が遅れると命に関わる頭痛もあります。一次性頭痛は、脳にこれといった病気があるわけではないのに、ときどき頭痛を繰り返す、いわゆる“頭痛持ち”の慢性頭痛です。一次性頭痛は頭痛自体が病気であり、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などが含まれます。日本人の4人に1人は慢性頭痛を持っていると言われています。なかでも片頭痛は、家事や育児、仕事などの日常生活を損なう社会的影響が強い疾患です。しかし、大半の人は「たかが頭痛くらいで」と病院へ行く事には気が引けて、市販の頭痛薬で我慢しています。慢性頭痛は、正確な頭痛の診断と適切な薬の選択、日常生活における頭痛の予防や対処法が必要な“病気”であるという認識が必要なのです。


【Vol.68】先ずは脳卒中を知ろう(7)

Q)脳卒中に対する心構えについて教えてください。

A)脳卒中に対する心構えとして、まずは予防です。それには高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙、多量の飲酒、運動不足などの危険因子を排除、コントロールしなくてはいけません。脳卒中治療ガイドライン2009でも高血圧患者の降圧目標として、高齢者は140/90mmHg未満、若年~中年者は130/85mmHg未満が推奨されています。また糖尿病患者では血圧と血糖のコントロール、脂質異常症患者には悪玉コレステロール(LDL)を標的としたスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)の投与が推奨されています。日頃より「食べすぎ」「飲みすぎ」「吸いすぎ」「働きすぎ」「怠けすぎ」に注意することが大切です。次に前触れを知っておくことです。「おかしい」、「あれっ」と思ったらたとえ良くなっても脳神経外科へ受診してください。そして万が一本物がおこったら、一刻も早く病院へいかれることです。
脳卒中を克服するためには画像診断や治療法の進歩だけでは不十分で、皆様の脳卒中に対する正しい理解が相まって初めて達成されるものです。「先ずは脳卒中を知ろう」こそが最も重要な予防策と言えましょう。