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※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.127】頭痛ア・ラ・カルト(8)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)ポップやロック音楽はリズミカルで動きがあり、交感神経を刺激してアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンの分泌を促し、脳の血管を収縮させるため、予兆時の頭痛回避に適しています。特に歌詞のある曲が効果的です。反対に、クラッシック音楽は静かで一見頭痛にはよさそうなイメージですが、副交感神経に作用し血管を拡張させるため、意外にも予兆期には不向きです。ただし、クラシック音楽でもチャイコフスキーの組曲「くるみ割り人形(花のワルツ)」、ショパンの「ワルツ第2番変イ長調(華麗なる円舞曲)」、ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」などの気分が華やぐ曲はおすすめです。ポップやロック音楽といっても大音量で聞くと脳の過敏性が高まり、逆に頭痛発作を誘発する可能性があるため、音量はほどほどに抑えてください。また頭痛期には、頭痛を増悪させる一因となるので、音楽は控えて静かな環境にしましょう。


【Vol.126】頭痛ア・ラ・カルト(7)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)アロマオイルの中には、予兆期に使用することで片頭痛発作の回避に効果が期待できるものがあります。「グレープフルーツ」や「レモン」などの柑橘系に含まれるリモネンは交感神経を活性化させて、血管を収縮させる作用があるといわれています。「ローズマリー」や「ペパーミント」は同様の効果に加えて、鎮静効果や冷却効果も兼ね備えています。また「ベルガモット」は柑橘系ですが、抗疼痛過敏効果による痛みの緩和が期待できます。事前にご自身が心地よいと感じる香りを嗅いで確認しておくとよいでしょう。アロマを含ませたハンカチや、ディフューザーの利用がおすすめです。アロママッサージやアロマバスは、血管が拡張して頭痛を増悪させるので推奨できません。タバコ、香水、芳香剤などの強い香りで頭痛が誘発される方は少量から始めましょう。頭痛発作期は頭痛が悪化する危険性があるため使用は控えた方がよいでしょう。


【Vol.125】頭痛ア・ラ・カルト(6)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)ツボ(経穴)は、全身に張り巡らされた自律神経が重なり合う場所で、「神経の交差点」とも呼ばれます。ツボ押しは、急な片頭痛の予兆時に、外出先でも簡単にできる対処法です。頭全体の痛みにおすすめのツボは、頭頂部の真ん中にある「百会(ひゃくえ)」です。両耳を結ぶ線と正中線の交点にあり、たくさんの経路が一同に介するターミナルです。また、側頭部の痛みには左右の髪の生え際に指をあて、口を開け閉めしたときに動きを感じられる「頷厭(がんえん)」、後頭部の痛みには首の後ろの髪の生え際にあるくぼんだ部分にある「風池(ふうち)」、目の奥の痛みには眉頭の内側で骨縁の少しへこんだところにある「攅竹(さんちく)」が効果的です。ツボは指先の腹や指の第二関節でイタ気持ちいい程度に刺激しましょう。頭痛発作期には「はちまき」をすると効果的です。はちまきはツボを刺激すると同時に、片頭痛で拡張したこめかみの血管を圧迫することによって、痛みを和らげるのです。


【Vol.124】頭痛ア・ラ・カルト(5)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)冷却療法は、拡張した脳血管を収縮させるため、片頭痛の予兆時から有効です。さまざまな冷却グッズがありますが、持ち歩きたい場合は冷却シートを額や首の後ろなどに貼るのがよいでしょう。家やオフィスでは冷蔵庫で保存できる冷却ジェルがおすすめで、より冷却力が強く高い効果が期待できます。また、冷たい水を飲むことで、身体の内側から交感神経を刺激して脳血管を収縮させる効果もあります。ただし、アイスクリームなど冷たすぎるものを一気に食べると、口蓋にある三叉神経を刺激してしまい、片頭痛を悪化させる可能性があります。冷却療法は頭痛時も有効で、血管の炎症により放出された炎症物質が三叉神経を刺激するのを緩和させる働きも期待できます。ちなみに、頭痛の際の入浴は血行がよくなって痛みが緩和しそうですが、片頭痛の場合は脳血管が拡張して頭痛を悪化させる可能性が高いため、シャワーですませる方がよいでしょう。


【Vol.123】頭痛ア・ラ・カルト(4)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)空腹になると血液中の血糖値が低下します。糖分が足りない状態で脳を正常に動かすには、より多くの血液を脳に送る必要があります。急激に増えた血液の圧力により脳の血管の壁が圧迫されて拡張し、周囲の神経を刺激して片頭痛発作が起こりやすくなるのです。特に多忙やダイエット目的で朝食抜きにする習慣は要注意です。片頭痛が起きる前に甘いものを食べたくなる予兆は、脳が低血糖を回避しようと警告しているとも考えられます。予兆が出現した際に短時間で血糖値を上げられるよう、飴玉を常備しておくとよいでしょう。特に夜寝る前や昼寝の際に頭痛の予感がした時に、ビスケットなどをかじってから休むと、寝起きのひどい頭痛がなくなるかもしれません。ただし甘いものでもチョコレートはチラミンやポリフェノールなどの血管拡張物質が含まれており、逆に片頭痛を誘発する可能性があるため避けた方がよいでしょう。


【Vol.122】頭痛ア・ラ・カルト(3)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)頭痛発作の前の予兆や前兆の段階で、頭痛がおきているわけではなく頭痛薬を服用するにはまだ早いと様子をみていて、ひどい頭痛をきたすこともしばしばです。頭痛の予感がした際に、薬以外で頭痛発作を回避する方法をシリーズで紹介していきます。まず第一に、コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインをとることが有効です。片頭痛は、血管の急激な拡張によって周囲の神経が刺激され、炎症を起こすことで引き起こされます。カフェインは交感神経を刺激して、拡張しすぎた脳内の血管を収縮させる効果があるため、予兆時に飲むことで頭痛発作を回避させることがあります。さらに、頭痛発作時には脳血管が異常に広がり、血管壁の隙間から水分が外に漏れ出すため、顔がむくんで身体の重さが出てきます。カフェインには利尿作用もあるため、脳血管のむくみがとれ、頭痛の改善とともに身体の重さも取れてきます。ただし、普段からの飲み過ぎは逆に頭痛の原因となるので要注意です。


【Vol.121】頭痛ア・ラ・カルト(2)

Q)片頭痛は「天気痛」ですか?

A)片頭痛の患者さんの多くに、痛みが始まる数時間から1〜2日前に何らかの予兆の自覚があります。症状としては、首や肩の凝り、光過敏・音過敏、疲労感、気分不良、生あくび、眠気、焦燥感、甘味欲求、食欲増進、むくみなどがあります。近年、天気痛の原因となる気圧の変化を検出するセンサーが、耳の奥の内耳に存在することが示されました。内耳から脳幹部に気圧変動の情報が伝わり、頭痛発作を引き起こすと考えられています。ところで、片頭痛の患者は、めまいが併存しやすいことが知られています。めまいに対して、内耳から脳幹部への異常信号を遮断する薬があります。当院の臨床研究で、片頭痛とめまいの両方を持った患者を対象に、天候の変化による片頭痛の予兆時に薬を服用して、頭痛発作を回避あるいは軽減させる効果が期待されました(日本頭痛学会誌43:358-362, 2017)。天気痛の一つである片頭痛の新しい治療法となる可能性があります。


【Vol.120】頭痛ア・ラ・カルト(1)

Q)片頭痛は「天気痛」ですか?

A)今年の夏は東京都心の記録的な長雨と九州北部など各地の豪雨災害がありました。雨が降ると古傷や病気をした場所が痛み、不眠やうつなど精神の不調をきたすことがあり、天気痛や気象痛と呼ばれます。天気痛は、気圧の変動による交感神経の乱れが原因と考えられています。片頭痛も天気痛のひとつで、患者さんの多くが天候の変化で頭痛発作を誘発することを自覚しています。太古の時代、邪馬台国の女王・卑弥呼は、雨乞いで雨を降らせていたと云われています。彼女は片頭痛持ちで気圧の変動を誰よりも早く察知し、低気圧の到来を予見できたのかもしれません。また、明治時代の俳人・正岡子規は、日本の近代文学に多大な影響を及ぼしましたが、結核で若くして亡くなります。晩年の日記「病牀六尺」では、雨の日は頭が悪いと記しています。気圧が下がると、人間の身体はむくみ、脳の血管もむくんで広がり頭痛発作を起こしやすくなるのです。


【Vol.119】脳ドックのススメ

Q)企業勤めでも脳ドックは必要?

A)疾病予防と早期発見治療により健康な生活をおくるために、企業では定期的に健康診断が行われます。しかし、通常の健康診断や人間ドックだけでは、脳卒中の危険因子を知ることはできても、実際の脳と脳血管の状態を知ることはできません。企業にとっても働き手の脳の健康を守ることは大切ですので、脳ドックの導入をお勧めします。予約の際は、被用者保険の助成金制度について、所属の健康保険組合や共済組合等にご確認ください。また、山口市国民健康保険で75歳未満の方は2割の自己負担で簡易脳ドックの受診が可能です(今年度は6/1〜12/20)。物忘れが気になる方には、認知機能検査や脳萎縮を解析するソフト(VSRAD)をオプションで追加できる施設もあります。なお、脳ドック学会ガイドラインでは、書面だけでなく、専門医が直接対面にて受診結果の説明指導をおこなうよう推奨しています。


【Vol.118】脳とめまい外来について(2)

Q)椎骨脳底動脈循環不全症とは何ですか?

A)椎骨脳底動脈は大動脈が分岐して脳幹や小脳に血液を送っている血管で、この血流が悪くなるとめまいや立ちくらみなどの症状を起こします。椎骨動脈は頚椎(首の骨)の中を通っているため、頭や首を回したり、急に振り向いたりすると生じやすくなります。高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣が原因の動脈硬化によって椎骨脳底動脈に狭窄や蛇行がある人や、老化で頚椎が変形して椎骨動脈を圧排している人が起こりやすいのです。診断はMRI検査で椎骨脳底動脈の走行をみる必要があります。CT検査では、造影剤を使用する場合を除き、血管の状態が分からないため正確な診断はできません。治療は脳血流を改善させる薬を使用します。「頭を動かすと景色が回る」頭位めまい症は、内耳の三半規管の働きの異常と多くの場合診断されますが、椎骨脳底動脈循環不全症が含まれる場合があるので注意が必要です。