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 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.133】血管いきいき教室(5)

Q)卵はコレステロールに関係ないのでしょうか?

A)コレステロールには「食物中」と「血液中」の2種類があります。どれくらい食べると血液中に移行するかは個人差がありますが、体内のコレステロールの7割程度は肝臓で合成されたものです。2015年に食品中コレステロール摂取の基準値がなくなり、数値の正常な人はあまり気にしなくても良いことになりました。ただし悪玉(LDL)コレステロール値が高い人には、摂取量を制限すると検査値が改善する人もおり、1日200mg未満(卵1個で250mg)にすることで、心血管疾患を予防できる可能性があるとされています。LDL値に影響するのは飽和脂肪酸で、肝臓にあるLDLの受容体の合成を抑え、LDLの回収がうまくいかず血液中に増えてしまうのです。飽和脂肪酸は常温で白く固まるのが特徴で、肉の脂肪やバター、マーガリン、生クリームなどの乳製品に多く含まれ、豚バラ肉は卵の5倍以上です。


【Vol.132】血管いきいき教室(4)

Q)脂質の血液検査には、どのようなものがありますか?

A)コレステロールや中性脂肪は、水になじみやすいリポたんぱくに乗って血液中を移動します。悪玉のLDLは全身の細胞にコレステロールを運び、善玉のHDLは全身の細胞から余ったコレステロールを回収します。LDLが必要以上に増えると、配達と回収のバランスが乱れ、血管の壁にたまって動脈硬化が進行します。中性脂肪を主に運ぶカイロミクロンやVLDLは、食事量が多いほど増え、移動の途中で超悪玉のレムナントや小型LDLに変化します。レムナントはマクロファージに取り込まれプラークを作りやすく、小型LDLは血管内皮下へ侵入しやすく、どちらもLDL以上に動脈硬化を引き起こしやすい性質があります。レムナント等が含まれるnon- HDL(総悪玉)値は総コレステロールからHDLを引いて算出される新しい指標で、LDL、HDL、中性脂肪の値と共に脂質異常症の診断基準にも採用されています。


【Vol.131】血管いきいき教室(3)

Q)動脈硬化の危険因子にはどのようなものがありますか?

A)コレステロールと中性脂肪はともに人の体に不可欠な脂質の一種です。コレステロールは細胞膜の構成成分となり、副腎皮質ホルモンや胆汁酸の材料にもなります。「コレステロール値が高いほうが長生きできる」という話を聞いたことがある人がいるかもしれません。肝臓病やがんなどの病気や寝たきりで低栄養状態になると数値が異常に下がることがあるため、低値になることで死亡率が上がると一部で誤って解釈されています。コレステロールは体に必要な物質ですが、増えすぎると血管の壁にたまり動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や狭心症などの発症率が上がることは、多くの研究から明らかです。中性脂肪は体を動かすエネルギー源であり、余った分は皮下脂肪や内臓脂肪として溜め込まれますが、増えすぎると間接的に動脈硬化を引き起こします。また高血圧・高血糖・喫煙・加齢も危険因子となります。


【Vol.130】血管いきいき教室(2)

Q)動脈硬化の検査にはどのようなものがありますか?

A)動脈硬化を調べるには①体の外から血管を観察する方法(エコー・CT・MRI等)②カテーテルを血管に挿入する方法(冠動脈造影等)③両手・両足首の4ヵ所の血圧を同時に測定し血管の硬さを調べる方法(CAVI・ABI)があります。その中でも頸動脈エコーは頸部に超音波をあてることで、簡単に動脈硬化の進み具合を調べることが出来る検査です。痛みや被爆する危険性がなく、安心して検査を受けられ、頸動脈の血管壁の状態と共に血流を観察することも可能です。動脈硬化の指標のひとつが「内膜中膜複合体肥厚度(IMT)」と呼ばれる動脈壁の内膜と中膜を併せた厚さです。IMTが1.1mmを超えると動脈硬化と診断され、進行の目安となります。また血管壁に限局性の肥厚がみられる場合はプラークと呼ばれ、プラーク破綻により血栓が形成して頸動脈が狭くなると脳梗塞のリスクが高くなります。


【Vol.129】血管いきいき教室(1)

Q)動脈硬化とは何ですか?

A)日本人の死因のうち、心疾患15.2%、脳血管疾患8.7%と約4人に1人の方が動脈硬化関連で亡くなっています。昨年、山口市主催の血管いきいき教室で「動脈硬化と脳卒中を予防しよう」の演題で講演したので解説していきます。
動脈は内膜(血流に触れる面)、中膜、外膜の3層構造を成しています。内膜の血管内皮細胞は血管壁と血流を分けるバリアで血管を守る働きがあります。生理的な加齢や高血圧、高血糖、脂質代謝異常などの危険因子により、血管内皮細胞が傷ついてバリア機能が弱まると、血管壁の中にLDLコレステロールなどの異物が侵入して、活性酸素の影響で酸化コレステロールに変わります。血管壁の中へ侵入した白血球がマクロファージに変化して、酸化コレステロールを貪食して泡沫細胞となり、脂肪のかたまりとなって血管壁内に蓄積し、やがてコブ(プラーク)が隆起して、次第に血管壁全体が厚く硬くなるのです。


【Vol.128】頭痛ア・ラ・カルト(9)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)片頭痛には多様な誘発因子があり、気圧や温度、湿度、風、雷などの天候の変化は重要な環境因子です。近年、熱波や豪雪、豪雨、強大化する台風などの異常気象が頻発しており、症状の悪化や多様化、慢性化などに関わると考えられます。片頭痛の経過は予兆期、前兆期、頭痛期、回復期の4期に分類されますが、異常気象への対応には、起点である予兆期への着目が重要です。予兆期における頭痛発作の阻止・軽減を目的とする新たな治療戦略を提唱し「予兆療法」と命名しました。予兆を自覚した時のみの服用を原則とし、毎日の服用はいりません。頭痛発作を直前に回避するため不安が軽減され、鎮痛薬乱用による頭痛の防止にもなります。
先月開催された第46回日本頭痛学会総会のシンポジウム「異常気象時代の片頭痛治療」で予兆療法について発表しました。当院ホームページ、日刊ゲンダイDIGITAL、日経メディカルオンラインでも掲載しています。


【Vol.127】頭痛ア・ラ・カルト(8)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)ポップやロック音楽はリズミカルで動きがあり、交感神経を刺激してアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンの分泌を促し、脳の血管を収縮させるため、予兆時の頭痛回避に適しています。特に歌詞のある曲が効果的です。反対に、クラッシック音楽は静かで一見頭痛にはよさそうなイメージですが、副交感神経に作用し血管を拡張させるため、意外にも予兆期には不向きです。ただし、クラシック音楽でもチャイコフスキーの組曲「くるみ割り人形(花のワルツ)」、ショパンの「ワルツ第2番変イ長調(華麗なる円舞曲)」、ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」などの気分が華やぐ曲はおすすめです。ポップやロック音楽といっても大音量で聞くと脳の過敏性が高まり、逆に頭痛発作を誘発する可能性があるため、音量はほどほどに抑えてください。また頭痛期には、頭痛を増悪させる一因となるので、音楽は控えて静かな環境にしましょう。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.126】頭痛ア・ラ・カルト(7)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)アロマオイルの中には、予兆期に使用することで片頭痛発作の回避に効果が期待できるものがあります。「グレープフルーツ」や「レモン」などの柑橘系に含まれるリモネンは交感神経を活性化させて、血管を収縮させる作用があるといわれています。「ローズマリー」や「ペパーミント」は同様の効果に加えて、鎮静効果や冷却効果も兼ね備えています。また「ベルガモット」は柑橘系ですが、抗疼痛過敏効果による痛みの緩和が期待できます。事前にご自身が心地よいと感じる香りを嗅いで確認しておくとよいでしょう。アロマを含ませたハンカチや、ディフューザーの利用がおすすめです。アロママッサージやアロマバスは、血管が拡張して頭痛を増悪させるので推奨できません。タバコ、香水、芳香剤などの強い香りで頭痛が誘発される方は少量から始めましょう。頭痛発作期は頭痛が悪化する危険性があるため使用は控えた方がよいでしょう。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.125】頭痛ア・ラ・カルト(6)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)ツボ(経穴)は、全身に張り巡らされた自律神経が重なり合う場所で、「神経の交差点」とも呼ばれます。ツボ押しは、急な片頭痛の予兆時に、外出先でも簡単にできる対処法です。頭全体の痛みにおすすめのツボは、頭頂部の真ん中にある「百会(ひゃくえ)」です。両耳を結ぶ線と正中線の交点にあり、たくさんの経路が一同に介するターミナルです。また、側頭部の痛みには左右の髪の生え際に指をあて、口を開け閉めしたときに動きを感じられる「頷厭(がんえん)」、後頭部の痛みには首の後ろの髪の生え際にあるくぼんだ部分にある「風池(ふうち)」、目の奥の痛みには眉頭の内側で骨縁の少しへこんだところにある「攅竹(さんちく)」が効果的です。ツボは指先の腹や指の第二関節でイタ気持ちいい程度に刺激しましょう。頭痛発作期には「はちまき」をすると効果的です。はちまきはツボを刺激すると同時に、片頭痛で拡張したこめかみの血管を圧迫することによって、痛みを和らげるのです。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.124】頭痛ア・ラ・カルト(5)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)冷却療法は、拡張した脳血管を収縮させるため、片頭痛の予兆時から有効です。さまざまな冷却グッズがありますが、持ち歩きたい場合は冷却シートを額や首の後ろなどに貼るのがよいでしょう。家やオフィスでは冷蔵庫で保存できる冷却ジェルがおすすめで、より冷却力が強く高い効果が期待できます。また、冷たい水を飲むことで、身体の内側から交感神経を刺激して脳血管を収縮させる効果もあります。ただし、アイスクリームなど冷たすぎるものを一気に食べると、口蓋にある三叉神経を刺激してしまい、片頭痛を悪化させる可能性があります。冷却療法は頭痛時も有効で、血管の炎症により放出された炎症物質が三叉神経を刺激するのを緩和させる働きも期待できます。ちなみに、頭痛の際の入浴は血行がよくなって痛みが緩和しそうですが、片頭痛の場合は脳血管が拡張して頭痛を悪化させる可能性が高いため、シャワーですませる方がよいでしょう。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。