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※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.63】先ずは脳卒中を知ろう(2)

Q)脳卒中の種類について教えてください。

A)前回の脳卒中に関するアンケートの【質問1】は「脳卒中には3つの種類があるのですが、わかる範囲でご記入ください」でしたが、答えは脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つでした。3つ全ての正解率は4.5%で、1つ以上の正解率は31%でした。脳卒中は大きく血管が詰まるタイプの脳梗塞と、血管が破れて出血するタイプの脳出血とクモ膜下出血に分類されます。さらに脳梗塞は脳血栓症と脳塞栓症、脳血栓症はラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞に細分類されます。
ラクナ梗塞は高血圧のために脳の細い血管が詰まっておこる小さな脳梗塞です。アテローム血栓性脳梗塞は比較的大きな動脈が動脈硬化をおこして細くなったり詰まったりしておこる中程度の脳梗塞です。脳塞栓症は心臓に出来た血栓が流れて来て大きな血管に詰まっておこる大きな脳梗塞です。
次に出血するタイプですが、脳出血は脳の細い動脈が壊死して破れて脳の中に出血してしまうものです。それに対してクモ膜下出血は脳の大きな動脈に出来た脳動脈瘤が破れて脳の表面のくも膜の下に出血してしまうものです。


【Vol.62】先ずは脳卒中を知ろう(1)

Q)脳卒中について教えてください?

A)「脳卒中」とは「卒然として邪風に中(当)たる」、つまり突然、悪い風に当たって倒れると言う意味で、平安時代から「中風・中気」とも呼ばれています。現代的には突然おこる脳の血管のトラブルを総称して呼ばれます。脳卒中は我が国の死因の第2位であり、寝たきりになる原因の第1位でもあるため、その対策は急務の課題の1つです。脳卒中を克服するには脳卒中について知ることが重要です。今回脳卒中の関するアンケートを実施しました(以下5項目)。【質問1】脳卒中には3つの種類があるのですが、わかる範囲でご記入ください。【質問2】脳卒中の症状を5つ簡単にご記入ください。【質問3】“一過性脳虚血発作”とはどのような病状かをご記入ください。【質問4】脳梗塞に対する治療法の1つである経静脈的血栓溶解療法(t-PA)をご存知ですか?【質問5】t-PAは発症してどのくらいまでに開始しなければならないでしょうか?アンケート結果については6月6日(土)に山口県健康づくりセンターで開催されます脳卒中の市民公開講座で報告致します。また次回以降詳しく解説致します。


【Vol.61】あなたの、いつも頭痛を見つめ直して(24)

Q)片頭痛発作の回数が増えたのですが?

A)片頭痛に二次性頭痛を合併すると頭痛発作が増える可能性があります。鎮痛薬の飲み過ぎであれば薬物乱用頭痛が疑われますが他の要因も考えられます。男性は月に1~2回、女性は月4~6回を超える発作がある場合はMRI・MRA、血液検査、脳波などで器質的疾患が隠れていないか検索する必要があります。特に副鼻腔炎(蓄膿症)を合併すると痛みの程度や回数が増える傾向があります。片頭痛は脳の血管周囲の神経の炎症による痛みですが、蓄膿症の細菌性の炎症物質が増悪因子となるからです。また眉間の奥のほうにある脳下垂体にできる良性の腫瘍も三叉神経を刺激して片頭痛に似た痛みが現れることがあります。脳下垂体のようにCTでは鮮明に映らない場所はMRIによる確認が必要です。また甲状腺機能亢進では片頭痛様の痛みが増加し、機能低下では緊張型頭痛様の痛みが増加します。三叉神経領域の浅在性帯状疱疹や微小脳下垂体腺腫による高プロラクチン血症も痛みの閾値を低下させ、片頭痛の頻度を増やします。片頭痛は脳以外の病気にも目を向ける必要があるのです。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.60】あなたの、いつも頭痛を見つめ直して(23)

Q)緊張型頭痛の対処法はありますか?

A)「緊張型頭痛」は頭や首のこりが原因でおこる頭痛ですから、筋肉の血流を改善させ、筋肉内の疲労物質を洗い流すことで改善します。後頭部や首のこったところのマッサージをする、首・肩・腕などを回すストレッチをする、ゆっくりお風呂に入る、蒸しタオルなどで首筋をあたためるなどの対処が有効です。気分転換をかねて、ジャスミン茶やハーブティーなど好みのお茶で一服したり、適度なアルコールをたしなむのもよいでしょう。それでも改善しない場合は鎮痛薬や筋肉のこりをほぐす薬などを使って治療します。
頭痛の誘因となる、ストレスをためやすい生活習慣を見直すことも大切です。仕事で長時間同じ姿勢をとらなければならない場合は適度に休息を入れる、前かがみや肩を丸めていないかなど姿勢を頻繁にチェックする、散歩やジョギング、水泳などの適度な運動を毎日続けるなどの工夫をしましょう。
また、高すぎる枕、合わない眼鏡、眼鏡や帽子による締め付け、歯の噛み合わせの異常なども原因となりますので、思い当たることがあればチェックしてみてください。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.59】あなたの、いつも頭痛を見つめ直して(22)

Q)緊張型頭痛はどのような頭痛ですか?

A)頭や首の筋肉の収縮によっておこる「緊張型頭痛」は、慢性頭痛のなかでも最も多いタイプの頭痛です。片頭痛のように、日常生活に支障をきたすような激しい痛みではありませんが、毎日だらだらと続くため、“いつも頭がすっきりしない”とか“脳が悪い”などと訴えられます。吐き気や嘔吐、光や音、においに過敏になるといった症状はありませんが、フワフワとした感じの一瞬のめまいを伴うことがあります。
頭から首、肩にかけての筋肉が緊張すると、血流が悪くなり、筋肉の中に乳酸などの疲労物質がたまります。その結果、周りの神経が刺激され、孫悟空の金輪で締め付けられるような痛みが起こってくるのです。緊張型頭痛の痛みは、“帽子をかぶっているような感じ”とか、“後頭部がしびれたような感じ”と表現されることもあります。
頚椎(首の骨)の変形や、正常な彎曲(前に向かって反る)の消失は筋肉に負担をかけて緊張型頭痛をおこしやすくなります。またコンピューター作業など長時間の同じ姿勢や、心配や不安などの精神的ストレスも誘因となるのです。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.58】あなたの、いつも頭痛を見つめ直して(21)

Q)子どもの片頭痛の治療はどうしますか?

A)片頭痛の子どもは低血圧気味のことが多いため、よく立ちくらみをおこします。また乗り物酔いをしやすいのも共通しています。また体育や部活の時間に頭痛がしてきて保健室で休むことが多くなります。運動をすると脳の血管が拡張するため、片頭痛の発作が起きやすくなるからです。
子どもの頭痛に対しては、安全性を考慮して鎮痛薬を使用しますが、頭痛の状態によってはトリプタン(片頭痛専用の薬)を使用する場合もあります。また吐き気が強い場合は制吐薬の投与も考えられます。頭痛の発作時間が短い場合はあえて薬を飲ます必要はありませんが、頭痛を必要以上に我慢させるのはよくありません。学校などにも薬を持参させ、頭痛あるいは前兆が始まったらできるだけ早く服用させるのもコツです。頭痛時に休息や睡眠ととらせるのも効果的なので、担任の先生に理解しておいてもらうことも大切です。片頭痛の発作の頻度が多かったり、学校や幼稚園を休みがちなどの場合は、頭痛を起こりにくくしたり痛みの程度を軽くするための予防薬を使用します。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.57】あなたの、いつも頭痛を見つめ直して(20)

Q)子どもにも片頭痛がありますか?

A)片頭痛は大人の病気で子どもにはないと思われている方も多いのではないでしょうか?しかし、片頭痛は子どもにもよくみられる頭痛で、早い子どもでは幼稚園くらいから頭痛発作が起こるようになります。身体が小さいからといっても、大人の片頭痛と同様にひどい発作をきたしてつらい思いをしているのです。子どもの片頭痛は、大人の片頭痛と比べて発作が始まるのが非常に急で、持続時間も過半数が3時間以内と短いのが特徴です。また、大人と比べてズキンズキンといった拍動性がはっきりしない、痛む場所の左右差がはっきりしないことが多いようです。また嘔吐や下痢などの腹部症状が強いことがあげられます。国際頭痛分類でも子どもの自家中毒(周期性嘔吐症)や腹痛発作(腹部片頭痛)は片頭痛の一型に含まれ、将来大人型の片頭痛に移行する可能性が高いのです。
片頭痛を正確に診断するうえで二次性頭痛の鑑別は重要で、MRI、CT、脳波などをおこなうこともあります。なお片頭痛は遺伝性が強く、母親が片頭痛持ちの場合が多く見られます。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.56】あなたの、いつも頭痛を見つめ直して(19)

Q)薬物乱用頭痛はどのように治療するのですか?

A)薬物乱用頭痛は、原因となっている薬の服用を止めなければ改善しません。その上で、予防薬を中心にした治療を受ける必要があります。予防薬として主に使用されるのは、薬物乱用で生じた脳の過敏性を低下させる抗てんかん薬や、抗うつ薬などです。薬物中止後に起こる頭痛に対してはトリプタンなどで対処します。脳の過敏性による頭痛がなくなれば、片頭痛などの本来の頭痛のみが残ります。薬物乱用頭痛の治療は、患者さん自身に原因薬剤を止める強い意志がなければうまくいきません。原因薬剤の中止で薬物乱用頭痛の患者さんの約70%は改善が得られますが、長期的には約40%が再び薬物乱用を起こしています。薬物乱用頭痛の予防には薬の飲み過ぎを避けることが大切です。“病院で処方された鎮痛薬は強く過ぎて副作用もあるが、市販の頭痛薬は安全だ”といった考えは誤りで、不適切な使用を続けていると市販の頭痛薬も危険な薬となるのです。日頃から鎮痛薬の使用を月10日以上とならないよう心がける必要があります。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.55】あなたの、いつも頭痛を見つめ直して(18)

Q)薬物乱用頭痛はどのような頭痛ですか?

A)鎮痛薬の飲み過ぎが原因となる「薬物乱用頭痛」ですが、ひどい片頭痛に悩まされていた人に多くみられます。鎮痛薬で片頭痛に対処している場合、鎮痛薬は頭痛発作の初期にしか効かないため、早め早めに予防的に鎮痛薬を飲むようになります。最初は効いていた鎮痛薬もだんだん効かなくなってきて服用が少しずつ増え、薬局でさらに強い鎮痛薬を求めるようになります。ひどい場合は風邪薬を鎮痛薬代わりに常用している人もいます。鎮痛薬の乱用を続けることにより脳の過敏性が徐々に増してくるため、薬の効いている時間も短くなります。このようにして最初は月に1~2回だった鎮痛薬の服用が少しずつ増えて、気がつけば毎日のように朝、昼、晩と飲まなければならない場合も珍しくありません。月に10日以上服用している人は要注意です。特に“最初効いていた鎮痛薬が効かなくなった”、“毎日のように明け方や早朝より頭痛が始まるようになった”、などの場合には、薬物乱用頭痛の疑いがあります。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.54】「脳ドック」へ行こう(その2)

Q)脳ドックで“隠れ脳梗塞”が見つかったのですが

A)脳ドックにおいて無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)が発見される頻度は5.9~16.3%で年齢が高くなるとともに増加します。しかし年齢的なものだから放置してよいというものではありません。無症候性脳梗塞がある場合は、ない場合よりも脳卒中をおこす危険性が10倍高くなるというデータがあるため注意が必要です。無症候性脳梗塞の最大の危険因子は高血圧であり、まずは血圧の管理が重要です。血液をサラサラにする抗血小板薬は出血の副作用を無視できないため、全ての無症候性脳梗塞に適しているわけではありません。頸部超音波検査やMRA(脳血管撮影)をおこない、頭の中や首の血管の狭窄などの異常のある例や高血圧・糖尿病など複数の危険因子を併せ持つ例などが抗血小板薬の適応となります。脳血管の異常がない場合も年1回定期的に検査して経過観察する必要があります。無症候性脳梗塞が発見されても過度に心配するのではなく、高血圧などの危険因子の治療への動機付けとすることが大切です。

脳ドックの詳細については「脳ドックのご案内」ページをご覧ください。