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※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.57】あなたの、いつも頭痛を見つめ直して(20)

Q)子どもにも片頭痛がありますか?

A)片頭痛は大人の病気で子どもにはないと思われている方も多いのではないでしょうか?しかし、片頭痛は子どもにもよくみられる頭痛で、早い子どもでは幼稚園くらいから頭痛発作が起こるようになります。身体が小さいからといっても、大人の片頭痛と同様にひどい発作をきたしてつらい思いをしているのです。子どもの片頭痛は、大人の片頭痛と比べて発作が始まるのが非常に急で、持続時間も過半数が3時間以内と短いのが特徴です。また、大人と比べてズキンズキンといった拍動性がはっきりしない、痛む場所の左右差がはっきりしないことが多いようです。また嘔吐や下痢などの腹部症状が強いことがあげられます。国際頭痛分類でも子どもの自家中毒(周期性嘔吐症)や腹痛発作(腹部片頭痛)は片頭痛の一型に含まれ、将来大人型の片頭痛に移行する可能性が高いのです。
片頭痛を正確に診断するうえで二次性頭痛の鑑別は重要で、MRI、CT、脳波などをおこなうこともあります。なお片頭痛は遺伝性が強く、母親が片頭痛持ちの場合が多く見られます。


【Vol.56】あなたの、いつも頭痛を見つめ直して(19)

Q)薬物乱用頭痛はどのように治療するのですか?

A)薬物乱用頭痛は、原因となっている薬の服用を止めなければ改善しません。その上で、予防薬を中心にした治療を受ける必要があります。予防薬として主に使用されるのは、薬物乱用で生じた脳の過敏性を低下させる抗てんかん薬や、抗うつ薬などです。薬物中止後に起こる頭痛に対してはトリプタンなどで対処します。脳の過敏性による頭痛がなくなれば、片頭痛などの本来の頭痛のみが残ります。薬物乱用頭痛の治療は、患者さん自身に原因薬剤を止める強い意志がなければうまくいきません。原因薬剤の中止で薬物乱用頭痛の患者さんの約70%は改善が得られますが、長期的には約40%が再び薬物乱用を起こしています。薬物乱用頭痛の予防には薬の飲み過ぎを避けることが大切です。“病院で処方された鎮痛薬は強く過ぎて副作用もあるが、市販の頭痛薬は安全だ”といった考えは誤りで、不適切な使用を続けていると市販の頭痛薬も危険な薬となるのです。日頃から鎮痛薬の使用を月10日以上とならないよう心がける必要があります。


【Vol.55】あなたの、いつも頭痛を見つめ直して(18)

Q)薬物乱用頭痛はどのような頭痛ですか?

A)鎮痛薬の飲み過ぎが原因となる「薬物乱用頭痛」ですが、ひどい片頭痛に悩まされていた人に多くみられます。鎮痛薬で片頭痛に対処している場合、鎮痛薬は頭痛発作の初期にしか効かないため、早め早めに予防的に鎮痛薬を飲むようになります。最初は効いていた鎮痛薬もだんだん効かなくなってきて服用が少しずつ増え、薬局でさらに強い鎮痛薬を求めるようになります。ひどい場合は風邪薬を鎮痛薬代わりに常用している人もいます。鎮痛薬の乱用を続けることにより脳の過敏性が徐々に増してくるため、薬の効いている時間も短くなります。このようにして最初は月に1~2回だった鎮痛薬の服用が少しずつ増えて、気がつけば毎日のように朝、昼、晩と飲まなければならない場合も珍しくありません。月に10日以上服用している人は要注意です。特に“最初効いていた鎮痛薬が効かなくなった”、“毎日のように明け方や早朝より頭痛が始まるようになった”、などの場合には、薬物乱用頭痛の疑いがあります。


【Vol.54】「脳ドック」へ行こう(その2)

Q)脳ドックで“隠れ脳梗塞”が見つかったのですが

A)脳ドックにおいて無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)が発見される頻度は5.9~16.3%で年齢が高くなるとともに増加します。しかし年齢的なものだから放置してよいというものではありません。無症候性脳梗塞がある場合は、ない場合よりも脳卒中をおこす危険性が10倍高くなるというデータがあるため注意が必要です。無症候性脳梗塞の最大の危険因子は高血圧であり、まずは血圧の管理が重要です。血液をサラサラにする抗血小板薬は出血の副作用を無視できないため、全ての無症候性脳梗塞に適しているわけではありません。頸部超音波検査やMRA(脳血管撮影)をおこない、頭の中や首の血管の狭窄などの異常のある例や高血圧・糖尿病など複数の危険因子を併せ持つ例などが抗血小板薬の適応となります。脳血管の異常がない場合も年1回定期的に検査して経過観察する必要があります。無症候性脳梗塞が発見されても過度に心配するのではなく、高血圧などの危険因子の治療への動機付けとすることが大切です。


【Vol.53】「脳ドック」はいかがですか

Q)脳に病気があるかどうか心配なのですが

A)「脳ドック」は、脳卒中になる前に危険因子を発見して、その発症や進行を防ぐことを目的とした脳の健康診断です。脳ドックにより、無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)、未破裂脳動脈瘤、無症候性脳腫瘍などがみつかることがあります。
脳ドックの検査項目はMRIとMRA(血管撮影)が中心となります。血管撮影といっても造影剤は使わないので痛みや危険はありません。
脳ドックのおいて重要なのは、受診結果の十分な説明と納得、万が一異常が発見された場合の適切な指導や治療による対応です。身内に脳疾患の既往がある人、高血圧・高脂血症・糖尿病・喫煙・肥満などの危険因子がある人、責任のある立場の方のリスクマネジメント等に特にお勧めします。
山口市の75歳未満の国民健康保険の被保険者は2割の個人負担で受診が可能です。実施期間は6月1日から11月30日までです。脳ドックを行っている医療機関とあらかじめ日程の調整をし、脳ドックを受ける10日前までに保険証をお持ちの上、各総合支所国保担当窓口又は出張所・支所でお申し込みください。


【Vol.52】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直して(17)

Q)更年期を過ぎれば片頭痛の発作がなくなりますか?

A)片頭痛は年代と共に痛みの性質が変わっていく慢性進行性の病気と考えられています。更年期以降、女性ホルモンの衰退と共に片頭痛に典型的なズキンズキンという拍動性の痛みからどんよりした重苦しい痛みに変わりやすくなります。また精神的ストレスや肩こりなどの身体的ストレスが重なると共に、頚椎の変形によって筋や筋膜に負担がかかってきて緊張型頭痛を合併しやすい時期でもあります。片頭痛の発作の頻度が増えて毎日のように頭痛をきたすようになると、「変容型片頭痛」と呼ばれることがあります。その中には鎮痛薬の飲み過ぎが原因となる「薬物乱用頭痛」が含まれます。通常更年期を過ぎると、痛みに対する脳の過敏性が低下するため徐々に片頭痛の発作は減少していきます。ところが鎮痛薬の乱用を続けることにより、脳の過敏性が徐々に増してきて通常は感じないような軽い痛みまで感じとるようになり、鎮痛薬の効果が切れると痛み出すという悪循環を招くのです。薬物乱用頭痛になると、更年期を過ぎても頭痛に悩まされるのです。


【Vol.51】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直して(16)

Q)妊娠中は片頭痛の発作が軽くなりますか?

A)妊娠中は片頭痛の発作が軽減することがわかっています。妊娠中は女性ホルモンの変動が少なくなるからです。それでも妊娠半ばまで片頭痛発作をおこすことがあり、薬剤使用時期が問題となります。最終月経初日から27日目(妊娠3週末)までは無影響期ですが、妊娠4週からは胎児の器官形成時期のため薬剤の使用は控えます。この時期は、部屋を暗くして熱冷ましシートなどを利用して頭を冷やすなどの対処療法をおこないます。急性期治療薬として完全に安全とされる薬剤はありませんが、発作が重度で治療が必要な場合は比較的安全性の高いアセトアミノフェンが推奨されています。また片頭痛の予防薬としてはビタミンB2以外は避けた方がよいでしょう。
一方、出産後は1ヶ月以内に半数以上の患者で片頭痛が再発しています。授乳中は薬剤の母乳への移行が問題となるため、基本的には薬は避けるべきです。トリプタンもわずかに母乳へ移行するのですが、スマトリプタン(イミグラン)は服用後12時間経てば、いったん排乳したうえで授乳すれば赤ちゃんにはほぼ影響がないと考えられています。


【Vol.50】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直して(15)

Q) 月経時の頭痛は片頭痛ですか?

A) 片頭痛は、男性と比べると女性の方が約4倍多いと言われています。片頭痛は女性ホルモンと関係が深く、思春期以降の女性に圧倒的に多くなるためです。
月経は片頭痛の誘因としてあげられます。片頭痛持ちの女性の約半数は、月経に関連して片頭痛が起こることを自覚しています。この月経時片頭痛は月経開始2日前から月経3日目までに多く、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが急激に下がることが誘因だと言われています。月経時に起こる発作は他の時期に比べ痛みが重度で持続時間が長く、治療抵抗性で日常生活への影響が大きいのが特徴です。月経時片頭痛の急性期治療としてはトリプタンが勧められますが、トリプタンを早期に服用しても効果が十分でない場合には鎮痛薬を併用すると効果的です。月経時に常に片頭痛発作がある場合は、この期間だけをねらった短期予防療法等もおこなわれます。
また女性ホルモンと言えば、経口避妊薬の服用により片頭痛がおこったり発作がひどくなったりする場合もありますので注意しましょう。


【Vol.49】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直して(14)

Q)片頭痛の発作時にカフェインが効きますか?

A)軽い片頭痛なら、コーヒーや紅茶などのカフェインを含んだものを飲むと症状が軽くなることがあります。これはカフェインの血管収縮効果によるものです。痛みがきそうと思った時点で、早めに飲むのがコツです。ただし1日200mg以上のカフェインを摂取していると、カフェインが切れた際にカフェイン離脱頭痛がおこる可能性があります。カフェインはコーヒー1杯あたり50~100mg、お茶では玉露160mg、煎茶20mg、番茶10mg、紅茶30mg程度含まれます。またドリンク剤、鎮痛薬、風邪薬などにも含まれますので摂り過ぎには注意しましょう。
ところで、フィーバーフューというハーブにも片頭痛に対する予防効果があります。キク科の植物で日本名は夏白菊、その名のとおり、夏に白い可憐な花を咲かせます。有効成分のパレテノライドが、片頭痛の引き金となるセロトニンの放出を抑えると言われています。1600年代のイギリスでも治療に使われており、最近では学会の治療ガイドラインでも推奨されています。(注:妊娠中、授乳中の方は飲用しないでください)


【Vol.48】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直して(13)

Q)片頭痛の治療についておしえてください。

A)片頭痛の急性期の頭痛発作にはトリプタンや鎮痛薬を使用しますが、つらい頭痛発作が月に何度も起こる場合には予防療法を併せて行います。また頭痛の回数は少なくても頭痛の程度がひどくクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を損なうような人、発作に対する不安感や恐怖感が強い人、脳梗塞・心筋梗塞などの合併症や副作用のためトリプタンなどの急性期治療が行えない人にも予防療法は勧められます。予防療法によって、頭痛発作の頻度を減らし、痛みの程度を軽くするなどの効果が期待できます。予防療法で使用される薬剤は、降圧薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗アレルギー薬など非常に多彩です。片頭痛に高血圧、てんかん、うつ、喘息などの病気を併せ持つ場合は双方を治療できる薬剤を選択します。予防療法の効き目を評価するには少なくとも2ヶ月を要します。片頭痛のコントロールが良好になれば、徐々に予防薬は減量して中止も可能です。また効き目が悪い場合は他の薬剤への変更を考慮します。