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午前 9:00~12:30
午後 2:30~6:00

 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.103】認知症を予防しよう(2)

Q)生活習慣について教えて下さい。

A)日常生活でのちょっとした心がけや習慣が認知症予防のためになります。まずは、毎日の予定を立てることを実践しましょう。時間感覚を維持するために、毎朝の起床時や朝食後などに、その日に行うことの具体的な内容と、その実行時間を決めます。朝と夕方に植木の水やり、食事の支度や洗濯を何時にする、何時頃に散歩に出かけるなどの些細な予定でもかまいません。カレンダーに書き込んだり、システム手帳を使うようにするのも効果的です。
次に一言日記を書くように心がけましょう。その日に行ったことや起こったこと、あるいは感じたことなどについて、記録する習慣を生活に取りいれてみましょう。最初から箇条書きで十分と割り切って始めれば比較的長続きします。日記を書く習慣を身に付けると、その日のことを思いだす時間をつくることができます。また数日間の書き忘れ分を一気に書くことで、「近時記憶」のトレーニングにもなります。

認知症予防外来の詳細については「認知症予防外来」ページをご覧ください。


【Vol.102】認知症を予防しよう(1)

Q)軽度認知障害について教えて下さい。

A)現在、65歳以上の高齢者のうち認知症の人は15%で462万人、さらに認知症予備軍と言われる軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCI)の人は13%で400万人いると推計されます。すでに高齢者の4人にひとりは認知症かその前段階にいるということになります。MCIというのは、健常と認知症の中間段階(グレーゾーン)にあり、日常生活に支障はなくても、物忘れなどの症状がみられる状態のことです。そのまま過ごすと数年間で、約半数の人が認知症に進行すると言われています。最近の研究では、MCIの段階で適切な予防や治療を行えば、認知症の発症を防ぐことや遅らせることができる可能性があることが分かっています。またごく簡単な血液検査(自費)で血液中の特定のたんぱく質を調べることによりMCIのリスクを判定するMCIスクリーニング検査もあります。MCIの可能性が高い場合は、認知症予防外来において認知機能の維持と回復を目標に認知症予防プログラムを指導します。認知症予防プログラムは生活プログラム、食事プログラム、運動プログラムの3つが大きな柱となります。

認知症予防外来の詳細については「認知症予防外来」ページをご覧ください。


【Vol.101】もの忘れと認知症(2)

Q)もの忘れ外来について教えて下さい。

A)もの忘れ外来においては初診時にゆっくりとお話しを伺います。認知症の診断には御家族のお話しが特に重要なので、可能であればいっしょに受診されることをお勧めします。次に記憶・認知機能検査をおこないます。改訂版長谷川式簡易認知症評価スケールなどが代表的で見当識、記憶、計算、言語、動作などを、口頭での質問と文字や図を書く検査で総合的に評価します。続けて画像検査をおこないます。頭部MRIにて脳梗塞、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、水頭症など認知症をきたすような脳の病気がないかを確認します。またアルツハイマー認知症では記憶と関連の深い海馬、海馬傍回の萎縮が早期にみられますが、MRI画像をVSRADというソフトで解析して萎縮の割合を算出することが出来ます。さらにアルツハイマー認知症では早期から帯状回後部などの血流低下がみられるため、脳血流シンチグラフィーで脳血流検査をおこないます。また必要に応じてビタミン、甲状腺ホルモンなど認知機能と関連する項目について血液検査をおこなうこともあります。


【Vol.100】もの忘れと認知症(1)

Q)もの忘れ外来について教えて下さい。

A) 65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は2012年の時点で全国に約462万人と推計されています。今年1月に厚生労働省は、2025年には現状の1.5倍となる700万を超えるとの推計値を発表しました。高齢者の5人に1人が認知症に罹患する見通しです。
「同じことを言ったり、聞いたりする」「大事なものをなくしたり、置き忘れたりする」「時間や場所がわからなくなる」「服装がだらしなくなった」「関心があったものに興味がわかなくなった」「怒りっぽくなった」。日常生活のなかで、ふと気になって「年のせいだろう」と思う反面、「もしかしたら認知症になったのではないか?」などと心配になることがあるかもしれません。
そのようなときは「もの忘れ外来」への受診をお勧めします。もの忘れ外来では、神経心理学的検査やMRIなどの画像検査をおこない、その症状が老化からくる自然なものか、病気によるものかを診断します。
認知症は、早期診断、早期治療がとても大切な病気で、適切な治療や対応で進行を遅らせる事や、症状が改善する場合があります。


【Vol.99】「脳ドック」は脳の健康診断

Q)脳ドックで認知症はわかりますか?

A)「脳ドック」は、脳卒中になる前に危険因子を発見して、その発症や進行を防ぐことを目的とした脳の健康診断です。脳ドックは脳の全体像をみるMRI(磁気共鳴断層撮影)と脳の血管の微細な状態をみるMRA(磁気共鳴血管撮影)による画像検査が中心となります。MRIとMRAは同じMRI装置において撮像が可能です。MRIでは、脳の萎縮や脳梗塞・脳出血を見ることができるため、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症の診断につながります。さらに物忘れが気になる人には記憶力の低下をみるための認知力テストをおこなう事もあります。山口市の国民健康保険に加入されている74歳までの方は2割の個人負担で「簡易脳ドック」の受診が可能です。本年度の実施期間は6月1日から12月20日までです。脳ドックを行っている医療機関とあらかじめ日程の調整をし、脳ドックを受ける10日前までに保険証をお持ちの上、各総合支所国保担当窓口又は出張所・支所でお申し込みください。

脳ドックの詳細については「脳ドックのご案内」ページをご覧ください。


【Vol.98】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(25)

Q)緊張型頭痛は雲をつかむような頭痛?

A)緊張型頭痛は僧帽筋、頭板状筋や肩甲挙筋を含む後頸部筋肉群の緊張をきたす日常生活での姿勢から、下向き頭痛、肩上げ頭痛、上向き頭痛と3分類されます。
下向き頭痛が起こりやすいのは手芸、ちぎり絵、ビーズ、書道、パッチワーク、読書、絵手紙などの趣味や、草むしり、調理、貴金属製造、内職、検品、設計、大工、IT産業、袋詰め、入力業務等の前屈するような作業を長時間行った時や高い枕を使用した際などで、後頸部筋肉群が持続的に伸展した状態になります。
肩上げ頭痛は、心理社会的ストレス、不安、うつ、妄想があると必然的に肩に力が入りやすくなります。理容師や美容師、ショルダーバックや登山のリュックといった肩掛け、長距離運転、ビールケースなどの持ち上げ、抱っこやおんぶ、クーラーなどの寒冷ストレスや冷気ストレス、楽器練習や油絵、パチンコ、レジ作業等が要因となります。
上向き頭痛は、背中が丸まると首が後屈になります。また電気工事、クロス貼り、ハウスクリーニング、剪定、果実の受粉、摘果、上向きモニター監視などの作業も後頸部筋肉群を緊張させます。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.97】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(24)

Q)緊張型頭痛は雲をつかむような頭痛?

A)緊張型頭痛の症状は実に多彩です。頭痛、頭痛感に始まり、首や肩の凝り、めまい・ふらつき、全身倦怠感、易疲労感、目がぼーっとする等の他にも、手の痺れ、動悸、胸痛、息苦しさ、喉のつまり、顔面頭部の異常知覚、消化器症状、不眠等の症状が出てくることもあるのです。まさにとらえどころのない頭痛といえましょう。
緊張型頭痛がおこるメカニズムですが、末梢性要素と中枢性要素があります。末梢性要素は身体的ストレスが加わると頭蓋筋の持続的収縮がおこります。それが長引くと乳酸やピルビン酸などの疼痛誘発物質が遊離して頭痛を引き起こすのです。いわゆる肩こりから来る頭痛です。中枢性要素は精神的ストレスがあると大脳辺縁系を介して脳幹脊髄にある三叉神経運動核に作用して、疼痛知覚の閾値が低下して頭痛が増悪するしくみです。緊張型頭痛はこの両者が絡み合って、より複雑な病態を示すようになるのです。
頭痛発作が月15日以内の反復性緊張型頭痛は末梢性要素が、月15日以上の慢性緊張型頭痛は中枢性要素が主な役割をはたしています。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.96】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(23)

Q)緊張型頭痛は雲をつかむような頭痛?

A)緊張型頭痛は日本では成人の22%、2200万人が悩んでいる一番身近な頭痛です。緊張型頭痛は雲のように全体像のはっきりしない、とらえどころのない頭痛と言えましょう。片頭痛やその他の頭痛は病気のアウトラインがはっきりしています。それに対して緊張型頭痛は一定の特徴を持ちながらもさまざまな要因が重なり、おぼろげなアウトラインを形成しているのです。
雲は雲でも筋斗雲といえば孫悟空ですが、緊張型頭痛は孫悟空の禁錮のように頭を締めつけられるような痛みに例えられます。
片頭痛の診断基準は片側性、拍動性、重症、身体的動作での憎悪、悪心・嘔吐、光過敏、音過敏ですが、緊張型頭痛の診断基準は丁度その裏返しになっていて、両側性、非拍動性、軽症、動作で悪化しない、悪心・嘔吐はない、光過敏・音過敏は少なくても片方しかありません。つまり緊張型頭痛は大局的には片頭痛でない一次性頭痛を示しているといえます。
なお女性のほうが男性よりも有病率が高く、肥満、運動不足、喫煙が危険因子になります。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.95】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(22)

Q)子どもの片頭痛について教えてください

A)片頭痛の子どもは低血圧気味のことが多いため、よく立ちくらみをおこします。また乗り物酔いをしやすいのも共通しています。また体育や部活の時間に頭痛がしてきて保健室で休むことが多くなります。運動をすると脳の血管が拡張するため、片頭痛の発作が起きやすくなるからです。
子どもの頭痛に対しては、安全性を考慮して鎮痛薬を使用しますが、頭痛の状態によってはトリプタン(片頭痛専用の薬)を使用する場合もあります。また吐き気が強い場合は制吐薬の投与も考えられます。頭痛の発作時間が短い場合はあえて薬を飲ます必要はありませんが、頭痛を必要以上に我慢させるのはよくありません。学校などにも薬を持参させ、頭痛あるいは前兆が始まったらできるだけ早く服用させるのもコツです。頭痛時に休息や睡眠をとらせるのも効果的なので、担任の先生に理解しておいてもらうことも大切です。片頭痛の発作の頻度が多かったり、学校や幼稚園を休みがちなどの場合は、頭痛を起こりにくくしたり痛みの程度を軽くするための予防薬を使用します。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.94】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(21)

Q)子どもの片頭痛について教えてください

A)片頭痛は大人の病気で子どもにはないと思われている方も多いのではないでしょうか? しかし、片頭痛は子どもにもよくみられる頭痛で、早い子どもでは幼稚園くらいから頭痛発作が起こるようになります。身体が小さいからといっても、大人の片頭痛と同様にひどい発作をきたしてつらい思いをしているのです。子どもの片頭痛は、大人の片頭痛と比べて発作が始まるのが非常に急で、持続時間も過半数が3時間以内と短いのが特徴です。また、大人と比べてズキンズキンといった拍動性がはっきりしない、痛む場所の左右差がはっきりしないことが多いようです。また嘔吐や下痢などの腹部症状が強いことがあげられます。国際頭痛分類でも子どもの自家中毒(周期性嘔吐症)や腹痛発作(腹部片頭痛)は片頭痛の一型に含まれ、将来大人型の片頭痛に移行する可能性が高いのです。
片頭痛を正確に診断するうえで二次性頭痛の鑑別は重要で、MRI、CT、脳波などをおこなうこともあります。なお片頭痛は遺伝性が強く、母親が片頭痛持ちの場合が多く見られます。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。