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午後 2:30~6:00

 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.37】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直して(2)

Q)“頭痛持ち”の頭痛にはどのような種類がありますか?

A)脳にこれといった病気があるわけではないのに、ときどき頭痛を繰り返す、いわゆる“頭痛持ち”の頭痛は機能的頭痛あるいは一次性頭痛と呼ばれ、「片頭痛」や「緊張型頭痛」などが含まれます。「片頭痛」は、脳の血管が拡張して、発作性に激しく痛みを繰り返す頭痛です。脳の血管内に神経伝達物質であるセロトニンが大量に放出されると脳の血管は収縮するのですが、セロトニンが出尽くしてしまうと今度は血管が拡張します。拡張の刺激によって血管周囲の三叉神経の末端から炎症物質(痛み物質)が放出され、血管が炎症をおこします。それが拍動性の痛みとして大脳に伝わるのです。「緊張型頭痛」は頭全体や後頭部が締め付けられるようにだらだらと続く痛みです。後頭部や側頭部の筋肉が緊張して血流が悪くなり、乳酸などの疲労物質が神経を刺激することで痛みがおこります。肩こりイコール緊張型頭痛と考えられがちですが、肩こりは片頭痛がおこる予兆のひとつの症状のため、しばしば緊張型頭痛と誤って診断され、片頭痛が見逃される原因となっています。


【Vol.36】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直して(1)

Q)頭痛の種類について教えてください。

A)“頭痛”は日常生活のいろいろな場面で出現します。“頭痛”と一言でいってもタイプはさまざまですが、大きく分けると次の3種類に分かれます。
1つ目は、風邪や二日酔いなどが原因で誰でも一度は経験のある頭痛です。2つ目は、クモ膜下出血や脳腫瘍、髄膜炎などの脳の病気による頭痛です。器質的頭痛あるいは二次性頭痛とも呼ばれ、治療が遅れると命に関わる場合もあります。3つ目は、脳にこれといった病気があるわけではないのに、ときどき頭痛を繰り返す、いわゆる“頭痛持ち”の慢性頭痛です。機能的頭痛あるいは一次性頭痛とも呼ばれ、片頭痛や緊張型頭痛などが含まれます。日本人の4人に1人は慢性的な頭痛持ちだと言われます。なかでも片頭痛は、家事や育児、仕事などの日常生活を損なう社会的影響が強い疾患です。しかし、大半の人は「たかが頭痛くらいで」と病院へ行く事には気が引けて、市販の頭痛薬で我慢しています。慢性頭痛は、正確な頭痛の診断と適切な薬の選択、日常生活における頭痛の予防や対処法が必要な“病気”という認識が必要なのです。


【Vol.35】顔の痛みはどこから来るの?(2)

Q)毎年秋になると片方の目の奥の激しい痛みが夜中に起こります。

A)顔の痛みの中でも、片方の目の奥が激しく痛む場合は「群発頭痛」が疑われます。群発頭痛は、群発地震のように、ある一定の時期に集中して起きる頭痛です。1~2ヶ月間の群発期になると毎日のように決まった時間帯、おもに就寝後や明け方に頭痛が起きます。脳内の体内時計の乱れが生じて、三叉神経に痛みの情報として伝わることが原因と考えられています。頭痛発作中には痛みのある側に涙が出る、目が充血する、鼻水が出る、鼻が詰まる、まぶたが垂れ下がるなどの症状がみられます。群発頭痛は圧倒的に男性に多く、飲酒よって誘発されやすいのも特徴です。群発頭痛は三叉神経痛と間違われることがありますが、三叉神経痛の一瞬の痛みが断続的に続くのに対して、群発頭痛は1~2時間続いた後に痛みは消えてしまいます。
群発頭痛の痛みは激しく、市販の頭痛薬で抑えることは困難です。トリプタン製剤や高濃度酸素が有効です。また群発期に予防薬を服用して発作の頻度を減らします。


【Vol.34】 顔の痛みはどこから来るの?(1)

Q)以前から時々右頬からこめかみにかけて一瞬強い痛みが走ることがあります。

A)顔の感覚を脳に伝える神経は三叉神経であり、顔を痛く感じるのは三叉神経痛です。三叉神経痛の痛みは、一瞬の走るような痛みで、数秒間のものがほとんどで、ながく続いてもせいぜい数十秒です。三叉神経痛は洗顔、化粧、ひげそり、そしゃく(ものをかむ)、冷たい風にあたるなどの動作で誘発されます。また痛みで歯みがきができないこともあり、間違って歯科へ受診される場合もめずらしくありません。三叉神経は三つの枝があって、おでこ・頬・下あごに分布していますのでこの枝の範囲に痛みがおこります。
三叉神経痛の原因はいろいろですが、脳の中で三叉神経が血管によって圧迫されて起こることが原因の1つであることがわかっています。また帯状疱疹後三叉神経痛といって、過去に顔に帯状疱疹がおこったことがあると後々痛みがでてくる場合があります。また脳腫瘍が原因でおこることもあります。
三叉神経痛の治療は、まず神経の興奮を抑える内服薬を服用します。薬での治療が困難な場合は脳の手術も考えられます。


【Vol.33】 おじいちゃんがあたまをぶつけた

Q)祖父が最近歩くのがふらついて意欲がありません。1ヶ月前に転倒して頭を打ったのですがなにか関係があるのでしょうか?

A)慢性硬膜下血腫を疑う必要があります。慢性硬膜下血腫とは、頭を打った後の慢性期(3週間以降)通常1~2ヶ月後に脳とその表面の硬膜とのすき間に、静脈の破綻などにより血液(血腫)が貯まる病気で、血腫が脳を圧迫して様々な症状がみられます。慢性硬膜下血腫は通常高齢の男性で、特に大酒家に多く見られます。またアスピリンやワーファリンなどの血液をサラサラにする薬を服用している場合も血腫ができやすくなります。典型的な例としては、頭部外傷後数週間症状がない時期を経て、頭痛、嘔吐、手足のまひやしびれ、言語障害、高齢者の場合は呆けや意欲の低下、歩行障害などをきたします。
頭部外傷は鴨居にゴツンと頭をぶつけた程度の軽い場合も多く、本人が頭を打ったかどうかさえ覚えていないこともしばしばです。また、精神症状をきたすと認知症と間違われる可能性もあるので注意が必要です。
受傷直後の検査でたとえ頭の中に出血はしていないと言われても、数週間後に気になる症状があれば再度受診するようにしてください。


【Vol.32】 こどもがあたまをぶつけた(2)

Q)子どもが頭を強く打ったのですが、「たんこぶ」ができたので大丈夫でしょうか?

A)小児が頭を打った場合「こぶ」ができたら大丈夫というのは、医学的根拠のない間違った情報です。強く頭を打った場合は「こぶ」の有無に関わらず病院へ受診する必要があります。
小児の頭部外傷後、ぶよぶよした柔らかいこぶができることがあります。骨と皮膚の間の帽状腱膜や骨膜は薄く結合が弱いため、帽状腱膜血腫や骨膜下血腫が起きやすいのです。このような頭皮下血腫は日数が経つと液化してぶよぶよしてくるのですが問題はありません。
しかし同じ頭皮のぶよぶよでも骨折がある場合は要注意です。骨の下の硬膜を傷つけて、脳脊髄液が漏れだして「頭皮下髄液漏」をおこす可能性があるからです。また3歳未満で頭部に骨折があった場合は成長の過程で骨折線が閉鎖しなくなる可能性がありますので、経過観察しなければなりません。
このように骨折の有無は重要ですが、骨折がなければ大丈夫というわけではありません。乳幼児では頭蓋骨も薄く外力に対して変形しやすく、骨折がなくても脳損傷が起こりやすいのです。


【Vol.31】 こどもがあたまをぶつけた(1)

Q)子どもが頭を強く打ち、すぐに泣きだしたのですが大丈夫なのでしょうか?

A)小児が頭を打った場合、意識が悪い場合やけいれんを起こした場合はもちろんですが、顔色が悪い、嘔吐する、ぐったりとしてすぐに寝てしまう、よく泣く、お乳の飲みが悪い、元気がない、普段となんとなく様子が違う等の場合も病院へ行くようにしてください。ただし小児は頭部外傷後に吐きやすく、嘔吐の有無がかならずしも重症度を反映するものではありません。
病院を受診される場合、伝達しなければならない大切な情報は「けがの日時と時刻」、「意識障害の有無」、「受傷機転(どこでどのようにして何に頭をぶつけた)」です。打ってすぐに泣いたから大丈夫だとは言えませんが、受傷直後に「意識障害」はなかったということはわかり、脳への直接的なダメージが比較的軽かったことが想像されます。ただし外傷直後に意識があり元気にしていても、数時間~数日後、なかには数週間後に症状がでることもありますので、しばらくはお子さんの様子を注意して観察してください。


【Vol.30】 簡易脳ドックを知っていますか?

Q)国民健康保険の場合、簡易脳ドックが受けられると聞いたのですが。

A)「脳ドック」は、脳卒中になる前に危険因子を発見して、その発症や進行を防ぐことを目的とした脳の健康診断です。脳ドックにより、無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)、未破裂脳動脈瘤、無症候性脳腫瘍などがみつかることがあります。
脳ドックのメニューはMRIとMRA(血管撮影)が中心となります。血管撮影といっても造影剤は使わないので、痛みや危険を伴わず検査をおこなえるのが特徴です。
脳ドックのおいて重要なのは、受診結果の十分な説明と納得、万が一異常が発見された場合の適切な指導や治療による対応です。身内に脳疾患の既往がある人、高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病がある人、責任のある立場の方のリスクマネジメント等に特にお勧めします。
山口市の国民健康保険の場合は1割の個人負担で受診が可能です。脳ドックをおこなっている医療機関とあらかじめ日程の調整をし、脳ドックを受ける10日前までに保険証をお持ちの上、各総合支所国保担当窓口又は出張所・支所でお申し込みください。新しい山口市民のかたも上手に利用してください。


【Vol.29】 突然の激しい頭痛にご用心(その3)

Q)くも膜下出血を予防する方法はあるのでしょうか?

A)くも膜下出血をきたす危険因子としては喫煙、高血圧、過度の飲酒があります。また近親者にくも膜下出血の既往があるという遺伝的な要因もあげられています。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤ですが、頭痛やめまいなどでMRIやCT検査をうけたり、脳ドックを受診したりして、破裂する前に見つかる瘤(未破裂脳動脈瘤)があります。未破裂脳動脈瘤が見つかった場合、開頭によるクリッピング術や血管内手術の予防的治療を受けることが可能です。しかしながら、脳動脈瘤は必ず破裂するわけではなく、破裂せずに生涯をおくられる方もいます。脳動脈瘤の破裂率は年間1%程度(100人の中で1年間に1人破裂する確率)と報告されています。一方、予防のための治療にも合併症があり、5~10%程度と報告されているため、慎重に治療を選択する必要があります。手術をせずに経過を追うのも選択肢の1つですが、最低6ヶ月から1年にI度は瘤の大きさの変化を確認することが大切です。動脈瘤の大きさが5mm以上のもの、形がいびつなものは特に注意が必要であると思われます。


【Vol.28】 突然の激しい頭痛にご用心(その2)

Q)くも膜下出血になった場合、どのような治療がなされるのでしょうか?

A)くも膜下出血の多くは脳動脈瘤の破裂が原因ですが、いつまでも出血が続くのではなく病院へ運ばれた時にはたいていの場合止まっています。しかし発症直後は再出血を来すことが多いため、十分な鎮痛と鎮静、さらに血圧を下げる必要があります。その上で再出血を予防するため脳動脈瘤の処置をおこないます。予防的処置としては、開頭による外科的治療あるいは開頭を要しない血管内治療がおこなわれます。外科的治療は動脈瘤の根元を金属ではさむネッククリッピング術を、血管内治療は動脈瘤の内側からプラチナ性コイルを毛糸の玉を巻くように詰める瘤内塞栓術をおこないます。通常は外科的治療がおこなわれ、高齢者など手術や麻酔のリスクが高い場合に血管内治療が選択されますが、最近では血管内治療が選択される症例が増えています。しかし重症の場合は手術ができず、手術ができたとしても麻痺や意識障害などの重大な後遺症を残すことも往々にしてあります。くも膜下出血全体での死亡率は約10~67%と報告されており、この病気の怖さを物語っています。