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 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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【Vol.117】脳とめまい外来について(1)

Q)「めまい」は身体のどの場所の障害でおこりますか?

A)めまいの感じ方は「天井など景色がぐるぐる回る」「雲の上を歩くようにふわふわする」「立ち上がったらクラっとする」など様々です。
体のバランスを保つために、内耳の三半規管で体の動きを、耳石器で体の傾きをとらえます。それらの感覚情報は、前庭神経によって脳幹へ伝えられ、さらに視床から大脳皮質へと伝えられます。その間のどこが障害されてもめまいがおこりますが、耳から生じるめまいと、脳から生じるめまいに大きく分けることが出来ます。耳からのめまいでは、難聴・耳鳴り・耳がふさがった感じを同時にきたします。脳からのめまいでは、頭痛や頭重感、物が二重に見える、ろれつが回らない、顔や手足のしびれや麻痺などの症状を伴うことがあります。特に高齢者のめまいで脳の血流障害が疑われる場合は、耳鼻咽喉科でおこなう検査のほかに脳神経外科での検査が必要となります。


【Vol.116】認知症を予防しよう(15)

Q)アルツハイマー型認知症はどのようなものですか?

A)認知症の最大の原因疾患はアルツハイマー病です。その最も大きな要因に、神経細胞が産生して周囲に放出する“ゴミ”のような「βタンパク」があります。βタンパクは誰の脳でも毎日産生されていますが、通常は酵素によりきれいに掃除されます。加齢に伴って分解除去する能力が減ると、分解されずに重なり合ってβアミロイドとなり、神経細胞の周りに老人斑として異常に溜まります。蓄積が何年にも渡ってくると、神経細胞の長い軸索突起にあるタウタンパクに次々とリン酸が結びついて、重合すると神経原線維変化となり、徐々に神経ネットワークが壊れてきます。そのため長い年月により蓄積が拡大すると、日常生活で物忘れが目立ちだして軽度認知障害となり、さらに生活管理能が欠落して認知症を発症します。アルツハイマー型認知症の予防としては、発症前20年間が重要となります。


【Vol.115】認知症を予防しよう(14)

Q)認知症を予防する食べ物はありますか?

A)緑茶には、カテキンとテアニンという成分が含まれます。カテキンは、ポリフェノールの仲間で抗酸化作用があり、中でもエピガロカテキンガレートは、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβ(Aβ)の生成を抑制します。テアニンは、脳の老化予防の効果があります。
コーヒーにもポリフェノールなどが多く含まれ、活性酸素を抑えて脳細胞を守ります。さらに、カフェインがAβを取り除き、脳の損傷を修復します。
チョコレートに含まれるフラバノールは、脳の神経細胞を活性化して認知機能の低下を遅らせます。この成分はカカオ70%以上のダークチョコレートに多く含まれます。さらに、脳神経を成長させる脳由来神経栄養因子が増加します。
カレーのウコンに含まれるクルクミンというポリフェノールは、Aβ蓄積の阻害とともに、Aβ凝集による老人斑の分解を促進します。


【Vol.114】認知症を予防しよう(13)

Q)認知症予防ドックとは何ですか?

A)脳の健康診断である脳ドックは、脳卒中の発症・進行を防ぐことを目的としていて、無症候性脳梗塞や未破裂脳動脈瘤等の疾患が発見できます。物忘れや将来の認知症が気になる人も脳ドックを受診されるケースがありますが、残念ながら通常の脳ドックでは認知症のリスク評価は充分ではありません。認知症予防に特化した脳ドックでは記憶力や認知機能の低下をみるため、神経心理学的検査をおこないます。また、アルツハイマー型認知症(AD)では記憶と関係の深い海馬、海馬傍回の萎縮が早期にみられますが、MRI画像を早期AD診断支援システム:VSRAD(ブイエスラド)というソフトで解析して萎縮の割合を算出することができます。さらに、認知症の多くは記憶力の低下よりも、先に嗅覚の低下がみられるため、嗅覚機能を検査する施設もあります。脳ドックを受診される場合は検査内容を確認してみてください。


【Vol.113】認知症を予防しよう(12)

Q)認知症を予防する食べ物はありますか?

A)ホウレンソウには、さまざまな抗酸化物質が豊富に含まれています。特にグルタチオンは、抗酸化作用がポリフェノールより強力ともいわれ、アルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドβ(Aβ)を解毒して発症を抑えると考えられています。熱に弱いので、あく抜きは沸騰したお湯に根元から入れ、10〜20秒で引き上げて水にさらします。
クルミには、ω-3多価不飽和脂肪酸や抗酸化物質が多く含まれています。クルミの抽出エキスは凝集したAβを分解する働きがあります。さらに、ミリセチンという健脳効果が抜群のポリフェノールも含まれています。
エゴマには、ω-3多価不飽和脂肪酸の一つで、体内でDHAやEPAに変わるα-リノレン酸が豊富です。ただし、油といっても加熱に弱いため、サラダのドレッシングやマリネ液として使うとよいでしょう。


【Vol.112】認知症を予防しよう(11)

Q)認知症を予防する食べ物はありますか?

A)ブロッコリーには、老化防止の作用を持つビタミンCなどの抗酸化ビタミンが多く含まれます。水溶性のビタミンCは加熱すると壊れやすいので、ゆですぎは禁物です。
アーモンドには、アンチエイジング効果があるビタミンEが豊富に含まれます。脂溶性のビタミンEは細胞膜の内側に常在し、いちはやく活性酸素を無害化して細胞を酸化から守ります。その際ビタミンEは効力を失いますが、ビタミンCを一緒に摂取すると活性が取り戻せるので効果的です。空気に晒しておくと、酸化して効力がなくなるので、密閉状態で保存しましょう。
かぼちゃには、ビタミンC・Eが豊富に含まれます。さらに、長期記憶改善効果をもつニコチアナミンという物質が含まれ、アルツハイマー型認知症の発症を抑えます。この物質は加熱してもほとんど損失はありません。


【Vol.111】認知症を予防しよう(10)

Q)認知症を予防する食べ物はありますか?

A)自然界に広く存在する黄、橙、赤色などの色素を総称して「カロテノイド」と呼びます。
ニンジンの鮮やかな橙色はβ-カロテンの色です。β-カロテンは優れた抗酸化作用を発揮して細胞の酸化を防ぎ、さらに認知症予防効果も期待されています。油に溶ける性質を利用して、効率よく摂取するのが良いでしょう。
トマトにはリコピンと呼ばれる赤色の色素が多く含まれます。リコピンは抗酸化力が特に強く、アルツハイマー型認知症の発症を抑え、学習・記憶能力の衰えを防ぐ働きがあります。熱に強く、油に溶けやすい性質もあります。
サケには赤色のアスタキサンチンが豊富に含まれています。抗酸化作用がもっとも強く、血液脳関門を通り抜け、脳の活性酸素を除去します。傷ついた脳細胞を修復する働きもあり、認知症予防に大きな力を発揮します。


【Vol.110】認知症を予防しよう(9)

Q)認知症を予防する食べ物はありますか?

A)マグロにはDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれおり、魚介類の中でもトップクラスです。DHAはω-3多価不飽和脂肪酸の一つで、血液脳関門を通過できる唯一の脂肪酸です。記憶や学習と密接な関係がある海馬に、特に多く分布しています。脳の血行をスムーズにして神経細胞の機能強化・発達促進、傷ついた脳細胞の修復、アルツハイマー型認知症(AD)の原因となるアミロイドβ蛋白(Aβ)沈着の抑制などの作用があります。これらのことから、DHAにはADの発症を抑える効果が期待されています。
またイワシにはEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれています。EPAもω-3多価不飽和脂肪酸の一つで、血管を広げて血液の流れをよくし、血液をサラサラにする働きがあります。また中性脂肪を減らし動脈硬化を防ぎます。イワシは脳血管性認知症を防ぐうえで必須の食材です。


【Vol.109】認知症を予防しよう(8)

Q)認知症を予防する食べ物はありますか?

A)玄米にはフェラル酸が多く含まれています。フェラル酸は植物の細胞壁をつくるポリフェノールで、脳の酸化を防ぎ、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβ蛋白(Aβ)から神経細胞を守ります。また米ぬかから抽出されるγ-オリザノールはAβを分解するインスリンの分泌能力を高める働きがあります。ビタミン群やミネラルなども含まれる玄米は生活習慣病だけではなく認知症の予防に効果的です。フェラル酸は白米にはわずかしか含まれていません。玄米や発芽玄米、全粒粉パンなどを積極的にとるようにしましょう。
また、大豆・大豆製品にはレシチンという細胞膜を構成するリン脂質の一種が含まれています。レシチンは別名をホスファチジルコリンといい、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの材料にもなります。レシチンによって脳の中で情報伝達がスムーズになり、脳全体の機能が向上すると言われています。


【Vol.108】認知症を予防しよう(7)

Q)認知症を予防する食べ物はありますか?

A)近年の研究で、認知症も生活習慣病と同じくライフスタイルと密接な関係があることがわかってきました。なかでも、食生活の影響は大きく、脳血管性認知症はいうまでもなく、アルツハイマー型認知症も食生活の改善によって予防できるという説が有力になっています。
脳はたくさんの酸素を必要とするため、活性酸素が生じやすくなっています。これが脳の神経細胞に深刻なダメージを与え、シナプスの働きを低下させ、情報の伝達を阻害するのです。また、活性酸素は、アルツハイマー型認知症の主な原因であるβアミロイド蛋白質の生成へかかわっているのではないかと考えられています。野菜や果物には、活性酸素を撃退する抗酸化物質が豊富に含まれています。神経細胞の退化は静かに何十年もかけて進行し、認知症の発症へとつながっていきます。そのため、40代ぐらいから認知症を予防する食材を積極的にとることが大切です。