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 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.123】頭痛ア・ラ・カルト(4)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)空腹になると血液中の血糖値が低下します。糖分が足りない状態で脳を正常に動かすには、より多くの血液を脳に送る必要があります。急激に増えた血液の圧力により脳の血管の壁が圧迫されて拡張し、周囲の神経を刺激して片頭痛発作が起こりやすくなるのです。特に多忙やダイエット目的で朝食抜きにする習慣は要注意です。片頭痛が起きる前に甘いものを食べたくなる予兆は、脳が低血糖を回避しようと警告しているとも考えられます。予兆が出現した際に短時間で血糖値を上げられるよう、飴玉を常備しておくとよいでしょう。特に夜寝る前や昼寝の際に頭痛の予感がした時に、ビスケットなどをかじってから休むと、寝起きのひどい頭痛がなくなるかもしれません。ただし甘いものでもチョコレートはチラミンやポリフェノールなどの血管拡張物質が含まれており、逆に片頭痛を誘発する可能性があるため避けた方がよいでしょう。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.122】頭痛ア・ラ・カルト(3)

Q)片頭痛の予感がしたら

A)頭痛発作の前の予兆や前兆の段階で、頭痛がおきているわけではなく頭痛薬を服用するにはまだ早いと様子をみていて、ひどい頭痛をきたすこともしばしばです。頭痛の予感がした際に、薬以外で頭痛発作を回避する方法をシリーズで紹介していきます。まず第一に、コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインをとることが有効です。片頭痛は、血管の急激な拡張によって周囲の神経が刺激され、炎症を起こすことで引き起こされます。カフェインは交感神経を刺激して、拡張しすぎた脳内の血管を収縮させる効果があるため、予兆時に飲むことで頭痛発作を回避させることがあります。さらに、頭痛発作時には脳血管が異常に広がり、血管壁の隙間から水分が外に漏れ出すため、顔がむくんで身体の重さが出てきます。カフェインには利尿作用もあるため、脳血管のむくみがとれ、頭痛の改善とともに身体の重さも取れてきます。ただし、普段からの飲み過ぎは逆に頭痛の原因となるので要注意です。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.121】頭痛ア・ラ・カルト(2)

Q)片頭痛は「天気痛」ですか?

A)片頭痛の患者さんの多くに、痛みが始まる数時間から1〜2日前に何らかの予兆の自覚があります。症状としては、首や肩の凝り、光過敏・音過敏、疲労感、気分不良、生あくび、眠気、焦燥感、甘味欲求、食欲増進、むくみなどがあります。近年、天気痛の原因となる気圧の変化を検出するセンサーが、耳の奥の内耳に存在することが示されました。内耳から脳幹部に気圧変動の情報が伝わり、頭痛発作を引き起こすと考えられています。ところで、片頭痛の患者は、めまいが併存しやすいことが知られています。めまいに対して、内耳から脳幹部への異常信号を遮断する薬があります。当院の臨床研究で、片頭痛とめまいの両方を持った患者を対象に、天候の変化による片頭痛の予兆時に薬を服用して、頭痛発作を回避あるいは軽減させる効果が期待されました(日本頭痛学会誌43:358-362, 2017)。天気痛の一つである片頭痛の新しい治療法となる可能性があります。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.120】頭痛ア・ラ・カルト(1)

Q)片頭痛は「天気痛」ですか?

A)今年の夏は東京都心の記録的な長雨と九州北部など各地の豪雨災害がありました。雨が降ると古傷や病気をした場所が痛み、不眠やうつなど精神の不調をきたすことがあり、天気痛や気象痛と呼ばれます。天気痛は、気圧の変動による交感神経の乱れが原因と考えられています。片頭痛も天気痛のひとつで、患者さんの多くが天候の変化で頭痛発作を誘発することを自覚しています。太古の時代、邪馬台国の女王・卑弥呼は、雨乞いで雨を降らせていたと云われています。彼女は片頭痛持ちで気圧の変動を誰よりも早く察知し、低気圧の到来を予見できたのかもしれません。また、明治時代の俳人・正岡子規は、日本の近代文学に多大な影響を及ぼしましたが、結核で若くして亡くなります。晩年の日記「病牀六尺」では、雨の日は頭が悪いと記しています。気圧が下がると、人間の身体はむくみ、脳の血管もむくんで広がり頭痛発作を起こしやすくなるのです。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.119】脳ドックのススメ

Q)企業勤めでも脳ドックは必要?

A)疾病予防と早期発見治療により健康な生活をおくるために、企業では定期的に健康診断が行われます。しかし、通常の健康診断や人間ドックだけでは、脳卒中の危険因子を知ることはできても、実際の脳と脳血管の状態を知ることはできません。企業にとっても働き手の脳の健康を守ることは大切ですので、脳ドックの導入をお勧めします。予約の際は、被用者保険の助成金制度について、所属の健康保険組合や共済組合等にご確認ください。また、山口市国民健康保険で75歳未満の方は2割の自己負担で簡易脳ドックの受診が可能です(今年度は6/1〜12/20)。物忘れが気になる方には、認知機能検査や脳萎縮を解析するソフト(VSRAD)をオプションで追加できる施設もあります。なお、脳ドック学会ガイドラインでは、書面だけでなく、専門医が直接対面にて受診結果の説明指導をおこなうよう推奨しています。


【Vol.118】脳とめまい外来について(2)

Q)椎骨脳底動脈循環不全症とは何ですか?

A)椎骨脳底動脈は大動脈が分岐して脳幹や小脳に血液を送っている血管で、この血流が悪くなるとめまいや立ちくらみなどの症状を起こします。椎骨動脈は頚椎(首の骨)の中を通っているため、頭や首を回したり、急に振り向いたりすると生じやすくなります。高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣が原因の動脈硬化によって椎骨脳底動脈に狭窄や蛇行がある人や、老化で頚椎が変形して椎骨動脈を圧排している人が起こりやすいのです。診断はMRI検査で椎骨脳底動脈の走行をみる必要があります。CT検査では、造影剤を使用する場合を除き、血管の状態が分からないため正確な診断はできません。治療は脳血流を改善させる薬を使用します。「頭を動かすと景色が回る」頭位めまい症は、内耳の三半規管の働きの異常と多くの場合診断されますが、椎骨脳底動脈循環不全症が含まれる場合があるので注意が必要です。


【Vol.117】脳とめまい外来について(1)

Q)「めまい」は身体のどの場所の障害でおこりますか?

A)めまいの感じ方は「天井など景色がぐるぐる回る」「雲の上を歩くようにふわふわする」「立ち上がったらクラっとする」など様々です。
体のバランスを保つために、内耳の三半規管で体の動きを、耳石器で体の傾きをとらえます。それらの感覚情報は、前庭神経によって脳幹へ伝えられ、さらに視床から大脳皮質へと伝えられます。その間のどこが障害されてもめまいがおこりますが、耳から生じるめまいと、脳から生じるめまいに大きく分けることが出来ます。耳からのめまいでは、難聴・耳鳴り・耳がふさがった感じを同時にきたします。脳からのめまいでは、頭痛や頭重感、物が二重に見える、ろれつが回らない、顔や手足のしびれや麻痺などの症状を伴うことがあります。特に高齢者のめまいで脳の血流障害が疑われる場合は、耳鼻咽喉科でおこなう検査のほかに脳神経外科での検査が必要となります。


【Vol.116】認知症を予防しよう(15)

Q)アルツハイマー型認知症はどのようなものですか?

A)認知症の最大の原因疾患はアルツハイマー病です。その最も大きな要因に、神経細胞が産生して周囲に放出する“ゴミ”のような「βタンパク」があります。βタンパクは誰の脳でも毎日産生されていますが、通常は酵素によりきれいに掃除されます。加齢に伴って分解除去する能力が減ると、分解されずに重なり合ってβアミロイドとなり、神経細胞の周りに老人斑として異常に溜まります。蓄積が何年にも渡ってくると、神経細胞の長い軸索突起にあるタウタンパクに次々とリン酸が結びついて、重合すると神経原線維変化となり、徐々に神経ネットワークが壊れてきます。そのため長い年月により蓄積が拡大すると、日常生活で物忘れが目立ちだして軽度認知障害となり、さらに生活管理能が欠落して認知症を発症します。アルツハイマー型認知症の予防としては、発症前20年間が重要となります。

認知症予防外来の詳細については「認知症予防外来」ページをご覧ください。


【Vol.115】認知症を予防しよう(14)

Q)認知症を予防する食べ物はありますか?

A)緑茶には、カテキンとテアニンという成分が含まれます。カテキンは、ポリフェノールの仲間で抗酸化作用があり、中でもエピガロカテキンガレートは、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβ(Aβ)の生成を抑制します。テアニンは、脳の老化予防の効果があります。
コーヒーにもポリフェノールなどが多く含まれ、活性酸素を抑えて脳細胞を守ります。さらに、カフェインがAβを取り除き、脳の損傷を修復します。
チョコレートに含まれるフラバノールは、脳の神経細胞を活性化して認知機能の低下を遅らせます。この成分はカカオ70%以上のダークチョコレートに多く含まれます。さらに、脳神経を成長させる脳由来神経栄養因子が増加します。
カレーのウコンに含まれるクルクミンというポリフェノールは、Aβ蓄積の阻害とともに、Aβ凝集による老人斑の分解を促進します。

認知症予防外来の詳細については「認知症予防外来」ページをご覧ください。


【Vol.114】認知症を予防しよう(13)

Q)認知症予防ドックとは何ですか?

A)脳の健康診断である脳ドックは、脳卒中の発症・進行を防ぐことを目的としていて、無症候性脳梗塞や未破裂脳動脈瘤等の疾患が発見できます。物忘れや将来の認知症が気になる人も脳ドックを受診されるケースがありますが、残念ながら通常の脳ドックでは認知症のリスク評価は充分ではありません。認知症予防に特化した脳ドックでは記憶力や認知機能の低下をみるため、神経心理学的検査をおこないます。また、アルツハイマー型認知症(AD)では記憶と関係の深い海馬、海馬傍回の萎縮が早期にみられますが、MRI画像を早期AD診断支援システム:VSRAD(ブイエスラド)というソフトで解析して萎縮の割合を算出することができます。さらに、認知症の多くは記憶力の低下よりも、先に嗅覚の低下がみられるため、嗅覚機能を検査する施設もあります。脳ドックを受診される場合は検査内容を確認してみてください。

認知症予防外来の詳細については「認知症予防外来」ページをご覧ください。