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 休診  日曜・祝日・木曜午後・土曜午後
※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.143】新型コロナウイルスと頭痛について(1)

Q)マスクが引き金で頭痛が起こりますか?

A)新型コロナウイルス感染症が流行する中、マスクを長時間つけることで頭痛が引き起こることがあります。片頭痛持ちの方は、顔の知覚を司る三叉神経が過敏な傾向があります。マスクによる皮膚への過度の刺激が三叉神経を介して脳の興奮を引き起こし、頭痛発作を誘発するのです。また、マスクで充分な換気が出来ず血中の二酸化炭素濃度が上がると、脳の血管が広がって頭痛が起きやすくなります。マスクで熱がこもるのも脳血管拡張の一因です。さらに、帰宅してマスクを外した際にも注意が必要で、リラックスした状態になるのも脳の血管を拡張させやすくなります。頭痛を予防するためには、きついゴム紐や細いゴム紐のついていない、皮膚への刺激が少ない素材のマスクや冷感マスクなどを使用するようにして、マスクを外せる場所では適度に外して深呼吸をするようにしましょう。


【Vol.142】認知症をよく知ろう(2)

Q)認知症にはどのような種類がありますか?

A)認知症の種類のうち、代表的なものは「4大認知症」と呼ばれ、アルツハイマー型・血管性・レビー小体型・前頭側頭葉型を指します。認知症患者のうち全体の67.7%がアルツハイマー型に該当し、65歳以上の10人に1人に発症します。物忘れなどの「記憶障害」から始まり、場所や時間がわからなくなる「見当識障害」へと進行します。次いで多いのが血管性で、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など脳卒中後に発症します。3番目に多いレビー小体型は幻視が起こりやすく、パーキンソン病の症状も現れます。前頭側頭型は65歳以下の若年層に多く発症し、人格変化や異常行動が目立ちます。その他、頭部外傷後に脳の表面に血腫が貯まり脳を圧迫する慢性硬膜下血腫や、脳室が拡大して起こる正常圧水頭症、脳腫瘍、ビタミン欠乏症、甲状腺機能低下症など、適切な治療や処置で治すことが出来る認知症もあります。

認知症予防外来の詳細については「認知症予防外来」ページをご覧ください。


【Vol.141】認知症をよく知ろう(1)

Q)認知症とはどのようなものですか?

A)「認知症」とは、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ、記憶や判断する力が低下したり、時間や人、場所の認識ができないなど認知機能の障害がおこり、その結果、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態です。加齢によるもの忘れは、「体験の一部」「何を食べたか」「約束をうっかり」「目の前の人の名前」を忘れるのに対して、認知症のもの忘れは、「体験の全部」「食べたこと自体」「約束したこと自体」「目の前の人が誰なのか」を忘れます。また認知症と区別する病態として、老年期うつ病、せん妄、統合失調症、てんかんなどがあります。老年期うつ病では、もの忘れの自覚があり、誇張もしますが、認知症では、もの忘れの自覚が少なく、取り繕いをします。また、認知症の症状は緩徐に進行しますが、せん妄は意識障害による精神症状で急激に進行して夜間に悪化するのが特徴です。

認知症予防外来の詳細については「認知症予防外来」ページをご覧ください。


【Vol.140】脳ドックは脳卒中・認知症予防のため(2)

Q)脳ドックにおける認知症予防について教えてください。

A)脳卒中だけでなく、認知症予防の最も重要な目標は血管の健康維持です。特に中年期の血管系の危険因子が、老年期の認知機能の低下に関連することは明らかです。脳ドックではリスク因子を把握し、MRI/MRA検査や頸動脈超音波検査などによる脳血管の動脈硬化の早期発見が重要となります。運動不足、腎機能障害、糖尿病、高コレステロール、喫煙、肥満、高血圧、うつ、冠動脈疾患が30年後の認知症のリスクを高め、少量のアルコール摂取、野菜や魚介類を多く摂る地中海食、社会活動への参加がリスクを減らすとされています。さらに、フィンランドで実施され2015年「Lancet」に掲載された「FINGER」と呼ばれる研究では、運動、食事、認知トレーニング、血管リスク管理といった生活習慣の改善によって、認知症発症リスクがある患者の認知機能の低下を予防することが示されました。

脳ドックの詳細については「脳ドックのご案内」ページをご覧ください。


【Vol.139】脳ドックは脳卒中・認知症予防のため(1)

Q)脳ドックの新たな役割について教えて下さい。

A)日本脳ドック学会には、2019年より「脳卒中・認知症予防のための医学会」というサブタイトルがつけられました。超高齢化社会になった現在、脳ドックに対する社会的要望は脳卒中予防だけでなく、認知症予防の比率が高まっているためです。今後は、まだ健常な時期から自身の認知機能状態を正確に把握し、リスク管理を積極的に施す仕組みが脳ドックに求められています。脳ドック学会においては、無症状の小さな病変を検出するために十分な性能を持つMRI機器とソフトウェアが使用されていること、画像読影は専門医が行うこと、医師の面談により脳ドックの結果通知がされることなどに加えて、認知機能のスクリーニング検査や頸動脈超音波検査を行うコースも設定することが学会認定施設の基準となっています。山口市国民健康保険の方は山口市が行う簡易脳ドックも利用出来ます。

脳ドックの詳細については「脳ドックのご案内」ページをご覧ください。


【Vol.138】血管いきいき教室(10)

Q)動脈硬化予防のためにはどのような運動がよいでしょうか?

A)運動療法は善玉HDLコレステロールを増やし、中性脂肪を減らす働きがあります。全身を動かし、多くの酸素を取り込んで体内の脂肪を燃焼させる有酸素運動が効果的です。ウォーキング、速歩、水泳、スロージョギング、自転車など、1日の合計30分以上週3回以上の運動が推奨されます。軽く汗をかき、ややきつく感じるが、息切れしない程度が目安です。ウォーキングは視線を遠くに、背筋を伸ばして、腕を大きく振って、歩幅は広くかかとから着地します。掃除、洗車、子供と遊ぶ、買い物へ行くなどの生活活動のなかで身体活動量を増やすことからはじめるのもよいでしょう。運動の効果を高めるためには、筋力トレーニングも行い筋肉の増強をはかり、基礎代謝を増やしましょう。さらにストレッチをすると血流をよくして疲労物質の排出を促す効果があります。


【Vol.137】血管いきいき教室(9)

Q)メタボリックシンドロームにはどう対処しますか?

A)脂肪細胞からは、いくつかの重要な生理活性物質(サイトカイン)を分泌されます。メタボリックシンドローム(メタボ)とは、内臓脂肪が過剰に溜まることで悪玉サイトカインが増えていき、血圧が上がり、インスリンの働きが悪くなり複数の生活習慣病が同時に発症してくる状態です。糖尿病、高血圧、脂質異常症のそれぞれが軽度でも、複数集まることで動脈硬化を進行しやすくなります。メタボは、食べ過ぎや運動不足など不健康な生活習慣を改善することで、一度に予防することが可能です。まずは、腹八分を心がけることが欠かせません。米、野菜、豆類、魚介類、海草を多くとる日本食はバランスのよい食事です。豆類、芋類、きのこ類、海藻類にはインスリンの働きを低下させない食物線維が多く含まれています。また野菜にはビタミンやカロチノイドなど油脂成分の酸化を防ぐ作用があり、動脈硬化を予防します。


【Vol.136】血管いきいき教室(8)

Q)メタボリックシンドロームと肥満症は違いますか?

A)「肥満」とは、身体に必要以上の脂肪が溜まっている状態のことです。「体重÷身長の2乗」で算出されるBMIが基準に用いられ、BMI25以上が肥満と判定されます。その中でも、肥満に起因する健康障害が1つ以上あるか、健康障害を起こしやすい内臓脂肪蓄積があれば、「肥満症」と呼び、医学的減量が必要です。脂肪は、太ももやお尻に付く皮下脂肪と、胃や腸などおなかに付く内蔵脂肪に分けられます。「メタボリックシンドローム」は内臓脂肪蓄積(へその高さで腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上)が必須項目で、高血糖(空腹時110mg/dL以上)、血圧高値(収縮期/拡張期130/85mmHg以上)、脂質異常(中性脂肪150mg/dL以上・HDL40mg/dL未満)の基準のうち2つ以上を満たすと診断され、糖尿病、高血圧症、脂質異常症の一歩手前の段階で、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります。


【Vol.135】血管いきいき教室(7)

Q)EPAは動脈硬化予防になりますか?

A)イコサペンタエン酸(EPA)は不飽和脂肪酸のなかのオメガ3に分類され、中性脂肪を減らし、善玉(HDL)コレステロールの働きをよくして、細胞からコレステロールを引く抜く能力を高めます。また血液をサラサラにして、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓をできにくくする効果や、血管の弾力性を保ちプラークを破れにくくする作用もあります。脳卒中ガイドラインでも脂質異常症の患者において、EPAとスタチンの併用が脳卒中再発予防に推奨されています。EPAは植物プランクトンに多く含まれており、食物連鎖の結果、魚の体内に蓄積され、特にいわし、まぐろ、さば、ぶり、さんまなどの青魚に多く含まれます。EPAは油の一種なので、なるべく脂が落ちない調理法がおすすめです。医薬品やサプリとしても扱われていますが、抜歯や手術などの前には休薬したほうがよい場合もありますので医師へご相談ください。


【Vol.134】血管いきいき教室(6)

Q)調理用の油はどれがお勧めですか?

A)食品に含まれる脂質は、体内の中性脂肪と同様、脂肪酸とグリセリンから成り立っています。食品によって脂肪酸の種類は異なります。飽和脂肪酸は、悪玉(LDL)コレステロールを増やします。不飽和脂肪酸は常温で固まりにくいのが特徴ですが、その中で一価不飽和脂肪酸のオレイン酸はオリーブ油などで、LDLを減らします。多価不飽和脂肪酸はオメガ3とオメガ6に分けられます。オメガ3にはエゴマ油や亜麻仁油などのα-リノレン酸と青魚に含まれるDHA・EPAとがあり、LDLと中性脂肪を下げる働きがあるので摂取が推奨されます。オメガ6のリノール酸はごま油やコーン油などで、善玉コレステロールまで減らすおそれがあり摂りすぎ注意です。不飽和脂肪酸の一種のトランス脂肪酸は、加工や精製によって生じるもので、マーガリン、ショートニングや菓子類に多く含まれており、LDLを増やすため摂りすぎは禁物です。