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※診療の予約は不要です(MRIの予約は可)
※必要に応じて当日のMRI/CT検査も行います

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メディア情報

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【Vol.73】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(5)

Q)片頭痛の誘因はどのようなものですか?

A)片頭痛は少しの体調の変化にも敏感に反応して起こります。たとえば副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症は片頭痛を悪化させる大きな誘因となります。風邪などを引いたあとに副鼻腔炎を合併すると、鼻の粘膜に網目状に分布している三叉神経を刺激して、その情報が脳の血管周囲を取り巻く三叉神経にも伝わり三叉神経末梢から炎症物質が放出され脳の血管が炎症をおこして、片頭痛の痛みを増幅させてしまうのです。ところで花粉症のシーズンに入り、特に今年は例年よりもスギ花粉の飛散量が多く花粉症の症状に悩まされている人も多いと思われますが、この花粉症も副鼻腔炎と同様に鼻の粘膜に炎症を起こしてしまうため、片頭痛の誘発因子となりうるのです。さらにこのような鼻のトラブルだけでなく、歯のトラブルも片頭痛の悪化に関係してくるので注意が必要です。実は歯にも三叉神経が入っていて、虫歯で三叉神経が刺激されると歯の痛みを起こすだけでなく、その情報が脳の血管にも伝わり片頭痛の程度や頻度が増すことがあるのです。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.72】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(4)

Q)片頭痛の誘因はどのようなものですか?

A)片頭痛は緊張しているときよりも、緊張から解放されてリラックスした時のほうがおきやすいという特徴があります。緊張が解けて副交感神経が優勢になるためで、脳の血管が緩み拡張して血管の周りの三叉神経が刺激されるのです。
そのため、仕事をしているときよりも仕事が終わって家に帰ってほっと一息ついたときのほうが、頭痛が起こることが多いのです。
また、土曜日や日曜日、もしくは休日になると平日の仕事の緊張から一気に解放されて頭痛発作が起こることが多いため、「週末頭痛」と呼ばれることもあります。つらい頭痛のために、せっかくの週末の予定を変更しなければならないこともたびたびです。
さらに休日の朝に昼過ぎまで寝ていると、頭痛発作を起こしやすくなります。その原因のひとつは、寝過ぎにより低血糖をおこすことにあります。
空腹は、片頭痛をまねく誘因となります。血糖値が低下すると、脳の血管が拡張して片頭痛を起こしやすくなります。そのため、朝食を抜いて学校や仕事に行くと、お昼前になって頭痛が起こりやすくなるのです。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.71】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(3)

Q)片頭痛の発作はどのようにしておこるのでしょうか?

A)片頭痛は、脳の血管が拡張して、発作性に激しく痛みを繰り返す頭痛です。片頭痛の病態として現在は「三叉神経血管説」が有力です。血液中の血小板から放出されるセロトニンという神経伝達物質には血管を収縮させる働きがあり、脳の血管の収縮と拡張の調整を担っています。そのセロトニンが、何らかの理由で血管内に大量に放出されると脳の血管は収縮します。ところが、セロトニンが出尽くしてしまうと今度は逆に脳の血管が急激に拡張します。拡張の刺激によって血管を取り巻く三叉神経が興奮性を増し、三叉神経の末端から炎症物質(痛み物質)が放出され、血管が炎症をおこします。これらの情報が、三叉神経を介して脳幹部より大脳に伝わり頭痛を引き起こすのです。この一連の発作の最初の引き金として、精神的・身体的ストレス、寝過ぎや寝不足、空腹、強い日差し、入浴、気圧や温度の変化などがあげられます。次回はこれら片頭痛の誘因についてです。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.70】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(2)

Q)片頭痛はどのような病気でしょうか?

A)片頭痛は頭痛発作を繰り返す病気で、中等度~重度の痛みが4~72時間持続する、片側性、拍動性(ズキズキする)の頭痛です。しかし両側性に痛むことも多く、拍動感のない痛みの場合もあります。ちなみに片頭痛の「片」は、昔は「偏」と表記されていました。発作が一定期間に「偏る」という意味で使われ、「片側」ということではありません。通常、片頭痛は1ヶ月に1~2回、多い人では1週間に1~2回くらい頭痛発作に見舞われます。
自分の頭痛が片頭痛だと判断するのに一番重要なのは、いったん痛み出すと寝込んでしまう、仕事や家事が手につかない、など日常生活に支障をきたしてしまうかどうかです。片頭痛は吐き気や嘔吐を伴うことが多く、普段は何でもないような光や音、あるいは臭いに過敏になる、といった症状がみられることもよくあります。また、歩行や階段の昇り降りなどの日常的な動作によって、頭痛は悪化してしまいます。頭を少し動かしただけで、痛みが激しくなる場合もあります。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.69】あなたの、いつもの頭痛を見つめ直してII(1)

Q)頭痛はどのように分類されますか?

A)頭痛は日常生活のいろいろな場面で出現しますが、一次性頭痛と二次性頭痛に大別されます。
二次性頭痛は、脳あるいは身体的原因のある頭痛です。その中には風邪や二日酔いなど身近な原因でおこる頭痛もあれば、クモ膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎など治療が遅れると命に関わる頭痛もあります。一次性頭痛は、脳にこれといった病気があるわけではないのに、ときどき頭痛を繰り返す、いわゆる“頭痛持ち”の慢性頭痛です。一次性頭痛は頭痛自体が病気であり、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などが含まれます。日本人の4人に1人は慢性頭痛を持っていると言われています。なかでも片頭痛は、家事や育児、仕事などの日常生活を損なう社会的影響が強い疾患です。しかし、大半の人は「たかが頭痛くらいで」と病院へ行く事には気が引けて、市販の頭痛薬で我慢しています。慢性頭痛は、正確な頭痛の診断と適切な薬の選択、日常生活における頭痛の予防や対処法が必要な“病気”であるという認識が必要なのです。

治療については「頭痛外来」ページ をご覧ください。


【Vol.68】先ずは脳卒中を知ろう(7)

Q)脳卒中に対する心構えについて教えてください。

A)脳卒中に対する心構えとして、まずは予防です。それには高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙、多量の飲酒、運動不足などの危険因子を排除、コントロールしなくてはいけません。脳卒中治療ガイドライン2009でも高血圧患者の降圧目標として、高齢者は140/90mmHg未満、若年~中年者は130/85mmHg未満が推奨されています。また糖尿病患者では血圧と血糖のコントロール、脂質異常症患者には悪玉コレステロール(LDL)を標的としたスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)の投与が推奨されています。日頃より「食べすぎ」「飲みすぎ」「吸いすぎ」「働きすぎ」「怠けすぎ」に注意することが大切です。次に前触れを知っておくことです。「おかしい」、「あれっ」と思ったらたとえ良くなっても脳神経外科へ受診してください。そして万が一本物がおこったら、一刻も早く病院へいかれることです。
脳卒中を克服するためには画像診断や治療法の進歩だけでは不十分で、皆様の脳卒中に対する正しい理解が相まって初めて達成されるものです。「先ずは脳卒中を知ろう」こそが最も重要な予防策と言えましょう。


【Vol.67】先ずは脳卒中を知ろう(6)

Q)頚静脈的血栓溶解療法(t-PA)について教えてください。

A)脳卒中に関するアンケートの【質問4】は「脳梗塞に対する治療法の1つである頚静脈的血栓溶解療法(t-PA)を御存知ですか」でした。
脳の血管が動脈硬化で狭くなると、その部分に血栓が出来て詰まってしまいます。そこで血栓によって詰まった時点でt-PAという血栓を溶かす薬を静脈注射すると、血栓が溶けて先の方へ流れて行くため血流は回復するのです。
t-PAを知っていると解答されたのは16%でした。その方々には質問5へすすんでいただきました。
【質問5】は「頚静脈的血栓溶解療法(t-PA)は発症してどのくらいまでに開始しなければならないでしょうか」でした。答えは3時間です。神経細胞が死なないうちに血栓を溶かす必要があるからです。
この質問に対してはt-PAを知っている方の65%の方が正解しました。
このように脳梗塞の診断と治療は時間との戦いです。アメリカでは1990年代の後半からタイム・イズ・ブレイン、時は脳なりの合い言葉で脳卒中患者の緊急搬送のキャンペーンが行われています。心臓のハートアタックに対してブレイン・アタックという言葉も使われています。


【Vol.66】先ずは脳卒中を知ろう(5)

Q)脳卒中診療の発展について教えてください。

A)脳卒中の診療はこの20年程の間に発展してきました。まずは画像診断が著しく進歩してきました。CTが出現して脳の中が見えるようになって脳出血の診断が100%つくようになり、次にMRIの登場により脳梗塞の超早期の診断が可能になり、MRAにより針を刺さずに血管の状態もわかるようになりました。さらに超音波検査にて首の血管の動脈硬化や狭窄の状態もくわしくわかるようになりました。
このような画像診断だけでなく、治療法もまた進歩してきています。特に近年、外科的治療に対して血管内治療が台頭してきました。くも膜下出血(脳動脈瘤)におこなっていた開頭クリッピング術に対して、血管内より動脈瘤内にコイルを充填して血栓化させる血管内塞栓術の技術はすでに確立しています。また頚動脈狭窄におこなっていたプラークを切り取る頚動脈内膜剥離術(CEA)に対して、血管内より狭窄を広げる頚動脈ステント留置術(CAS)が発展してきております。
さらに2005年に脳梗塞に対する頚静脈的血栓溶解療法(t-PA)が認可され脳梗塞の治療は大きく変貌をとげました。


【Vol.65】先ずは脳卒中を知ろう(4)

Q)一過性脳虚血発作について教えてください。

A)脳卒中に関するアンケートの【質問3】は「一過性脳虚血発作とはどのような病状かをご記入ください」でした。
答えは“脳卒中の前触れ”なのですが、正解された方はいませんでした。
一過性脳虚血発作(TIA)の症状は脳卒中と全く同じなのですが、数分から十数分、遅くとも24時間以内に症状が回復して完全に元の状態に戻ってしまうのです。
血栓が脳血管に一時的に詰まるのですが、血栓がすぐに溶けることで症状が消えてしまうのです。
TIAは大きな脳梗塞の前触れとも考えられており、TIAを経験した人の20~30%は、数年以内に脳梗塞を発症することがわかっています。また脳梗塞の患者さんの15%が発症前にTIAをおこしています。よって症状は短時間でも放置せず、その時点で精密検査を受けることが必要なのです。
TIA患者の31~79%に首の血管(頸動脈)の狭窄性病変が存在します。動脈硬化になると血管壁の内膜にプラークを形成して、血液の通り道が狭くなります。プラーク表面に出来た血栓が剥がれて末梢に飛んでいくとTIAや脳梗塞を引き起こすのです。


【Vol.64】先ずは脳卒中を知ろう(3)

Q)脳卒中の症状について教えてください。

A)脳卒中に関するアンケートの【質問2】は「脳卒中の症状を5つ簡単にご記入ください」でした。もちろん脳卒中の症状は5つ以上あるわけですが、アメリカでは心臓協会(AHA)が脳卒中の警告症状として、①運動障害・感覚障害、②視力・視野障害、③言語障害、④めまい・平衡機能障害、⑤突然の頭痛の5つをあげています。具体的には急に片方の顔や手足がしびれる、力が入らなくなる、急に片方の目が見えにくくなる、急に呂律が回らなくなる、言葉が出なくなる、理解できなくなる、めまいがしたり、バランスがとれなくなる、突然頭が痛くなるといった症状です。
アンケートでは1つ以上の正解率は39%でした。また5つ全ての正解の方はいませんでした。さらに症状別に正解率を集計したところ、運動・感覚障害は比較的皆さん御存知のようですが、視力・視野障害に関しては正解率が低い結果となりました。片方の目が見えない、物が二つに見える、視野の半分が欠けるといった目の症状が出現したら、脳卒中を疑って速やかに受診する必要があるのです。